ドイツW杯へに向けての第1戦は、埼玉スタジアムにオマーンを迎えての一戦。日本の先発はGK楢崎、DF三都主、宮本、坪井、山田、MF中村、稲本、遠藤、中田、FWは柳沢と高原。
試合開始直後は中村の右からの攻めなどいい場面もあった日本だが、オマーンの厳しいプレスとマークにどんどん攻撃は沈滞し、各自が無秩序に動き回っているだけで、たまたま空いた選手の足元へパスを回すかDFの裏への精度の低いボールを出すかしか攻め手が無くなってしまう。それでも、たまに三都主などからクロスのチャンスはあるものの、FWとの息が合わなかったり、2列目からの飛び込みが無いのでフリーでシュートを打てる場面も無い。
オマーンは比較的低い位置で奪ってカウンターを狙ってくるだけなのだが、ポジショニングがオートマチックでワンタッチでパスが回り、日本の中途半端なボランチの位置をかいくぐってゴール近くまで持っていかれてしまう。
ところが28分、カウンターからのパスを受けた高原がドリブルで突破しようとしたところを体で止められ、日本は幸運なPKをゲット。しかし中村が蹴ったボールは相手GKにぴたりとタイミングが合ってしまってチャンスをフイに。そこからはさらに試合は沈滞し、前半終了間際にはミスからセカンドボールを拾われてオマーンに押し込まれる始末。ハーフタイムには当然のブーイングが響く。
後半からはキレの無かった柳沢に代えて久保を投入。しかし最初こそ久保の高さを生かした攻めが機能するものの、やはり沈滞ムードは変わらない。さらに遠藤に代えて小笠原を投入し、中田がボランチに下がる。
20分ごろからは互いに中盤が空いて日本も少しチャンスらしき物は作り始める。しかし小笠原などのシュートは精度無く、久保の落としから中村が中で完全にフリーになったのだが上に吹かしてしまい得点出来ない。そこからはオマーンも引いて、最後のところをきっちり守って来たので日本は形も作れなくなる。
40分過ぎてロングボール攻撃も実らず、もうだめかと思われたロスタイム、ロングボールから鈴木が頭で競り、小笠原が拾って中に蹴ったボールのクリアボールが偶然中村に当たり、そのボールが何と久保の前にコロコロと転がり、それを久保が落ち着いて決めて日本が最後の最後で命拾いを果たした。
日本は最低限のノルマである勝ち点3を取ったものの、その内容は正に烏合の衆とと呼べるほどひどく、オマーンの方がはるかにチームとして完成されていたと言わざるを得ない。選手個人もコンディションが悪く、海外組は高原一人だけが普通の出来だった有様で、何度も相手の危険なカウンターを浴びていた事を思うと、よくこれで勝てたなというのが正直なところである。
もう時間はほとんど残されていない。一刻も早くジーコを解任するか、総監督に祭り上げて組織的なチームを作れる人間を迎えるべきだ。今日の試合にほっとして喜んでいたのではドイツへの切符は手に入らないだろう。スポンサー様と代理店の英断を期待する。
●採点