試合は開始直後こそインドも高い位置からプレスをかける意欲を見せたが、すぐに5バックで自陣ゴール前を固める展開に。日本は温度31度湿度90%という過酷な気候に当然ながら動きが悪く、しかもピッチは滑りやすい上にトラップをしてもポンポン跳ねるような状態で軽快なパス回しが出来ない。
それでも前半14分までに6本ものCKをゲットするのだが、第1戦とはうって変わった相手GKとDFの集中力の前に得点を挙げる事が出来ない。高原のフリーのヘッドや跳ね返しをダイレクトで狙った小野のシュートも相手に当たるなど運も無い。サイドもスペースを消されてなかなか上がれず、FWのチャンスはロングボールを高原が競り勝ってヘディングした1回のみと、パスを回す日本をあざ笑うような試合。
20分を過ぎると日本も攻撃のペースがさらに落ち、インドの疲れを知らないマーキングを破るためにDFが仕方なくオーバーラップをするのだが、かえってボールを奪われて危ない場面を作ったりと嫌な時間が過ぎて行く。しかし前半も終了間際の44分、左サイドに流れた本山が宮本のフィードをヘッドで折り返し、これを受けた三都主が突破してのシュートを相手GKが弾いたところを鈴木が押し込んで、日本はようやく先制点を挙げる。
さて後半というところで何とスタジアムが停電。さすがはインド(笑)。
30分遅れでようやく照明が復旧して後半が始まったが、日本の停電気味の調子は変わらず、インドの執拗なマークに苦しむ展開が続く。しかし前半よりは日本に運が向いていたようで、13分にゴール前での小野のFKがミスキック気味で低く飛んだボールが相手の壁の間にすり抜けて2点目が決まる。
そして19分に高原に代わって入った久保が早速得点にからむ。27分に、鈴木のパスから久保、三都主へとつないで上がったクロスに飛び込んだ福西が3点目。ここで日本は田中に代えて藤田を投入して4バックに。ところが、インドがこの試合初めて攻めに出てきた事もあって日本はマークがやや混乱して追加点を取れる雰囲気が消えてしまう。ようやく42分に右CKから中澤が流したボールを飛び込んで来た宮本が4点目を決めたが、ロスタイムに鈴木がどフリーのヘッドを外してしまって試合はここまで。
非常に暑い気候とホーム寄りの審判と言う典型的なアウェーの環境で勝ち点3を無事ゲット出来た事は喜ばしいが、得点が4点ではオマーンと得失点差が+1に留まり、次の試合で1点差で負けてしまうと2位に転落する事態になってしまうために、あと1点が取れなかった事が非常に悔やまれる。久保がどれだけ出場できたかは分からないが、もっと早くに投入すべきではなかったか。
また、まだシーズンが始まったばかりとは言え小野と高原の海外組の調子も今ひとつで、中田と中村が怪我を抱えているだけに、今後の試合に不安が残ってしまったのも確かだと言える。どちらにせよ、次のオマーン戦が一大決戦となるのは間違い無く、各自コンディションの調整を万全にしてもらいたいものである。
●採点