2004年6月9日

・ドイツW杯アジア1次予選 日本-インド(7-0)

グループ首位にいるとは言え、オマーンに得失点差で負けているだけに大量得点が欲しいこの試合、日本のスタメンはGK川口、DF中澤、宮本、坪井、MF三都主、小野、福西、加地、トップ下が中村、2トップが玉田と久保と予想通りの布陣。

試合は開始早々こそインドに危ないミドルシュートを打たれるものの、すぐに日本はインドを押し込んでCKを何度もゲットするものの、簡単なチャンスを決められずに今日も嫌な予感が漂う。しかも、インドは前線に人がいないのに3バックの押し上げが弱く、セカンドボールを簡単に拾われてパスを回されてしまう始末。

攻撃でも相変わらずビルドアップのスピードが遅くてサイドにボールを回してもスペースを塞がれてクロスが上げられず、トップ下の中村も下がってボールをもらいたがるために、中盤が混雑する割に前線に人がおらず、横パスを回しては中途半端なくさびのボールを取られるというおなじみの展開に。

しかしそういう時でも空気に馴染まないのが久保で(笑)、12分に久保の飛び出しに三都主から良いパスが出てボレーシュートを決めてようやく先制、25分には中村のパスを打点の高いヘッドで折り返して福西が飛び込んで2点目のアシスト、そしてポストプレイでファールをもらって中村の3点目のFKのお膳立てと久保様々のご活躍。怪我を抱えた久保は前半でお役御免。

後半からは久保に代わって鈴木を投入。インドは後半になって積極的に前からプレスをかけて来たのでスペースを得た日本がどんどん点を入れる展開になると思いきや、鈴木がサイドに流れたがるせいで中に人がおらず、ファーに蹴って誰かが走りこんでくるのを期待するクロスばかりで得点の予感がしない。

ようやく9分に、中村のロングフィードを受けた玉田がドリブルで切れ込んで鈴木に当たってコースが変わったシュートで4点目を決め、4バックにするために下がった宮本に代わった小笠原が5点目、中澤がセットプレイから2点を叩き込んで7-0としたところで日本も疲れて打ち止めに終わった。

得点こそそこそこ入った試合ではあったが、ジーコジャパンの救世主である久保にかなり助けられた部分が多く、間延びした中盤とかからないプレス、ゴール前の人の少なさ、極めて少ないミドルシュート、フリーなサイドを作れない遅いパス回しなど、引いた相手を崩すための定石がほとんど実行できず、折り返してのオマーンやシンガポール相手の試合に非常に不安を残す内容になってしまったと言える。今一度、チームとして今なにをするのかという徹底した意識付けを期待したい。

●採点

  • 川口 6 プレイしたのは最初の1分と最後の2分だけだが・・・
  • 中澤 7 やはりセットプレイではボンバーヘッドは大きな武器だ。
  • 宮本 5 消極的なラインの押し上げ、さらにはオサレかぶりまで披露。
  • 坪井 5.5 ブティアにあそこまでポストプレイをさせてはいけない。
  • 三都主 6 1対1の勝負が攻撃のアクセントになっていたのは確かだがやりすぎ。
  • 小野 5.5 パスの出しどころに苦労していた。コンディションも良くなかった。
  • 福西 6.5 小野をカバーするフレッシュな働き。ゴール前にもよく顔を出す。
  • 加地 5 前を塞がれて何も出来なかった。スペースが出来た後半に少しだけ働いた。
  • 中村 6 ほとんどゴール前にはおらず、パスとセットプレイのみ。それでいいのか?
  • 玉田 6 スペースが無い前半は苦労していたが、後半にようやく輝く。
  • 久保 7.5 文句無しに今日のMOM。怪我が悪化しないように頼みます。
  • 鈴木 5.5 点を取ることが本職でないだけに(笑)、久保の代役では気の毒。
  • 小笠原 6 得点は見事だったが、後はぐだぐだに飲み込まれた。
  • 藤田 5.5 ボランチの位置では単なる宝の持ち腐れ。

サッカーコラムマガジン「蹴閑ガゼッタ」