プレミアリーグで得点ランク3位のセメンヨこそメンバーにいたけど、ジョルダンやクドゥス、パルティ、アサレ、メンサーという1軍メンバーを欠いたガーナとの試合ではあったが、日本も三笘や伊東、冨安、鎌田、板倉らがいなかったわけで、それでほぼ相手にほとんど何もさせなかったのは随分日本も選手層が厚くなったなと痛感させられた。
中でも存在が抜きん出ていたのは、佐野海舟と鈴木淳之介だろう。ガーナも日本も3-4-2-1のフォーメーションでミラーゲームの形になったが、これまでの日本であればミラーゲームでマンマークしてくる相手には、どうしてもバックパスが目立つ遅効になってしまい、ボールは持ててもチャンスが作れないのが常だった。
しかし鈴木は相手に囲まれてもキープが出来るために、相手を恐れずどんどん前に持ち上がることが出来るため、1人で数的優位を作って攻撃の起点になれる。そして佐野は、1対1の守備ではまず負けない上に、最近は攻撃参加も活発になって相手守備の均衡を崩すキーマンになっている。
今までの森保ジャパンでは、攻撃はとにかく三笘と伊東の個人技でしか相手を崩せなかったのだが、佐野と鈴木の台頭で攻撃の選択肢が増えている。遠藤と冨安の代替で出場機会を得た彼らだが、終盤に投入された安藤や藤田譲瑠チマも良かったし、今や代表は完全に下剋上状態となりつつある。
次はガーナより力が落ちると見られるボリビアが相手だが、今回出場が無かった町野、前田、小久保、小川らの出場が予想されるだけに、レギュラー陣を脅かすような活躍を期待したいところだ。
