長いようで短かった3週間のツール・ド・フランスもとうとうフィナーレ。その前の第20ステージはフランス東部のナンテュアからポンタルリエまでの184.2km。途中で2級、3級、2つの4級山岳をこなすパンチャー向けのコース。
レースはスタートから何度かアタックが仕掛けられるが決まらず、72kmを経過した中間スプリントポイント手前になってようやく13人の逃げ集団が形成される。メイン集団ではペースが落ち着いたかに見えたが、逃げの中に総合で上位に付けているジェガットが入っていたためにライバルチームがペースアップ。しかしその追撃も長くは続かない。
そのジェガットは2級山岳のテジー峠でアタック、しかしスウェニーがカウンターを仕掛けて単独でスパート、追走との差を広げて一時は50秒の差をつけてしまう。が、残り26kmの4級山岳で逃げていたスウェニーが吸収されて10人のグループになり、さらに雨が降ってきたコースでロメオとグレゴワールが落車で脱落、最後は先頭集団が3人に絞られる。
そして残り17kmを切った地点でグローブスが単独でアタックすると、ファンデンブルークとスチュワートは牽制してしまってお見合い、そのままグローブスが最後まで逃げ切りステージ優勝。メイン集団は結局7分の差でゴール、1分遅れでゴールしたジェガットは6分のタイム差を稼いで総合10位にジャンプアップした。
最終日は2年ぶりのパリ・シャンゼリゼゴールとなる第21ステージ。パリ郊外のマント・ラ・ヴィルをスタートし、通常なら凱旋門とルーブル美術館を往復するルートを周回して終わるのだが、今年に限ってはいつものルートを3周回した後、コンコルド広場から分岐して4級山岳に設定されたモンマルトルの丘を登ってサクレ・クール寺院を回ってまたシャンゼリゼに戻る16.8kmのコースを3周回してゴールという変則コース。
レースはシャンゼリゼに入るまでは恒例のパレードランが続くかと思われたが、雨の予報が出たせいで早くパリに着くために途中でUAEチームがペースアップ、慌ただしい凱旋のパリ入りとなった。そしてシャンゼリゼ2周目に入るぐらいから本格的にレースがスタート、これも毎度でアタックが決まらないうちにモンマルトルを含む3周回が始まる。
1度目のモンマルトルの上りでアラフィリップがアタック、ポガチャルやファンアールトも追走してペースアップ、先頭集団の28人と後続集団との差が出来てしまう。2周目に入るととうとう雨が降り始めるが、モンマルトルに詰めかけた大勢の観客はそのまま熱狂的に応援を続け、2度目の上りでは何と今度はポガチャルがアタック、頂上を先頭で通過する頃には先頭集団は4人になってしまう。
その下りで2人が追いついて先頭集団はポガチャル、ジョーゲンソン、ファンアールト、モホリッチ、トレンティン、バッレリーニの6人になり、追走集団との差を広げてこの中でのステージ優勝がほぼ確定となる。ここでファンアールトと同じヴィズマ・リースアバイクチームのジョーゲンソンがスパート、当然ステージ優勝を狙っているポガチャルは追撃せざるを得ない。
3度目のモンマルトルで予想通りポガチャルがアタックを仕掛けたが、ここまで体力を温存していたファンアールトがぴったり追走すると、ラストの坂で今度はファンアールトがカウンター、ジョーゲンソンに足を使わされたポガチャルはついて行けない。そのままファンアールトは雨に濡れたモンマルトルの石畳を攻めつつ下って行く。
ポガチャルにはモホリッチとジョーゲンソン、バッレリーニが追いつき、最後のシャンゼリゼに突入した時はファンアールトとポガチャル集団との差は20秒。ファンアールトは何度も後ろを振り返りながら、最後は自転車にスタンディングポーズでゴール。ここまでポガチャルに叩き潰され続けたヴィスマチームだが、最後に一矢報いる事が出来た。そしてポガチャルもゴール、4度目の総合優勝を当たり前のように飾って今年のツールが終わった。
