今年も聖地ウェンブリー・スタジアムで行われたFAカップ決勝は、勝てばクラブ史上初のメジャータイトルとなるクリスタル・パレスと、2年ぶりの優勝を狙うマンチェスター・シティとの対戦。
パレスのフォーメーションは3-4-2-1で、ボランチが鎌田とウォートン、3トップがマテタ、サール、エゼの並び。シティは4-2-3-1で、前線はハーランドの1トップに、サビーニョ、マルムーシュ、ドクの2列目。
試合の立ち上がりはシティが圧倒的にボールを支配、パレスは自陣で5-2-3の形で守ることを強いられる。前半7分には、右からのダイレクトクロスをハーランドがフリーで合わせるも、パレスGKヘンダーソンが跳ね返す。12分にもCKからグヴァルディオルのヘッドをヘンダーソンがセーブ。
すると前半16分、リチャーズからのフィードを1トップのマテタがキープ、リターンを受けた鎌田が右サイドのムニョスにダイレクトで展開、クロスをエゼが押し込んでパレスが一発のカウンターから先制点をゲットする。さらに19分にもパレスはカウンターで右からの折り返しをサールが合わせる決定機。
33分、右サイドでベルナルド・シウバが縦突破、CBのミチェルがタックルするもアフターと判定されPK。キッカーはハーランドが一度ボールを持つも、マルムーシュがキッカーとなり、これをヘンダーソンが弾き、こぼれ球をハーランドが押し込むもしっかりセーブ、チームを救う大きな働き。
その後もシティが圧倒的にボールを支配。43分にはドクがPA内に切れ込んで強烈なシュートもまたヘンダーソンがセーブ。パレスは何とかそのまま耐えきって前半を終了する。
後半はいきなりシティがサビーニョの縦突破からクロスを連発、パレスのゴールを脅かす。11分にはスルーパスに抜け出したベルナルド・シウバがシュート、しかし鎌田が必死で戻ってスライディングでブロックする好プレイ。
すると13分にスローインからのこぼれ球をムニョスがシュート、これはシティGKオルテガが弾いたが、ムニョス自身が押し込みパレスが追加点を決めたかに見えたが、シュートに当たったサールのポジションがオフサイドと判定されノーゴール。23分にはCKからのこぼれ球を鎌田がダイレクトボレーもゴール右上に外れる。
残り20分からは、パレスの選手が自陣20m以内に全員が入るドン引き状態。37分にはエチェベリの至近距離からのシュートをまたまたヘンダーソンがブロック。後半のロスタイムは実に10分、デ・ブライネのミドル、エチェベリのシュートなど危ないシーンはあったが、最後まで守りきって1-0で試合終了。
パレスはFAカップ決勝3度目の挑戦で、ようやくメジャー初タイトル獲得。ウェンブリー・スタジアムに詰めかけたサポーターは歓喜の渦となった。逆にシティは2年連続で決勝敗退、今期は無冠が決定してしまった。
鎌田は他の選手が歩いていても、常に首を振って相手に合わせて守備のポジションを絶え間なく修正、ボールは数えるぐらいしか触れなかったが、少ない場面もミス無く繋ぎ、間違いなくFAカップの優勝に貢献したと言えるだろう。今期はプレミアリーグのアジャストに苦労したが、最後になってようやくフィット出来たのは鎌田らしい帳尻の合わせ方だったかな。