ベルギーリーグの1部は、16チームが2回戦総当たりのリーグ戦を戦った後、順位で3つに別れてのプレーオフを戦うシステム。
シント・トロイデンは14位で終了したため、1部残留をかけて争うプレーオフ3となり、ここは下位4チームがリーグ戦での勝点を半分にした上で、総当たりの6試合を戦い、1位が1部残留、2位が2部とのプレーオフ、3位以下が2部へ自動降格という厳しい戦い。
プレーオフ3では、シント・トロイデンが5試合を3勝2敗、2位のセルクル・ブルージュに勝ち点1差をつけ、勝利で自力残留を決められる状態で3位のコルトレイクとの最終節に臨んだ。
コルトレイクは3-4-2-1のフォーメーションで、角田と藤井がCBで先発。対するシント・トロイデンは4-4-2で、GK小久保、左SB小川、ボランチが伊藤と藤田、日本人6人が先発として名を連ねた。
試合は前半5分、GKからボールを受けた角田が切り返しのボールをフェラーリに奪われ、折り返しをベルタッチーニに押し込まれる痛恨のミスで失点、シント・トロイデンが先制する。その3分後、小川のクリアを拾ったカドリが左足でゴール左上に突き刺すゴラッソを決めてコルトレイクがすぐに同点。
これで勢いが出たコルトレイクは、13分にも右サイドを抜け出してシュートも小久保が落ち着いてブロック。しかし21分にGKからのフィードに小川が競った後の裏を取られ、フリーのクロスをメサトゥに押し込まれてコルトレイクが逆転。
その後もWBへのサイドチェンジから優位に組み立てるコルトレイクに対し、シント・トロイデンは耐える時間が続く。34分には相手のミドルがクロスバーに当たるピンチ。36分には藤田のスルーパスから折り返しをベルタッチーニがニアで合わせるがバーの上。
すると37分、シント・トロイデンはカウンターから右に流れた藤田がクロス、これを中へ飛び込んだラプッサンがボレーを叩き込んで同点。その直後にも小川の落としを藤田がシュートも大きく左に外す。前半はそのまま同点で終了。
後半9分、伊藤涼太郎が左でボールを受けてカットインからシュートもGK正面。29分にはアンブローズが右サイドから強引に突破してのシュートは小久保が弾く。37分にもアンブローズがターンからシュートも小久保がキャッチ。
シント・トロイデンは後半42分に、アキレス腱断裂の大怪我で戦列を離れていた谷口が復帰、山本理仁とともに投入される。試合に勝たなければ2部降格が決まってしまうコルトレイクが最後に猛攻を見せるが、ロスタイム4分のミドルも小久保がキャッチ、試合はそのまま2-2のドローで試合終了。
裏の試合で、2位のセルクル・ブルージュが既に降格が決まっているベールスホットにまさかの逆転負けを食らったために、シント・トロイデンがプレーオフ首位を決めて1部残留が決まった。
今期は監督選びに失敗、守備の要であった谷口が長期離脱で苦しいシーズンとなったが、ベルタッチーニの大ブレイクと監督交代で持ち直し、何とかギリギリで残留を果たした。来期はベルタッチーニが引き抜かれるだろうし、藤田もステップアップするべき時期だし、谷口にかかる負担は減らなそうだ。