ベスト16でナイジェリアを破って準々決勝へ進出したヤングなでしこ。対戦相手は前回王者のスペイン、場所はかつて麻薬都市として知られたメデジンにあるスタディオ・アタナシオ・ヒラルド。
日本のフォーメーションは4-2-3-1で、GK大熊、DF佐々木、米田、白垣、柏村、ボランチが小山と大山、2列目が氏原、松窪、松永、1トップが土方のスタメン。対するスペインも4-2-3-1の形。
試合の序盤は日本が果敢にハイプレスを仕掛け、スペインに自由なビルドアップを許さない狙い。しかし8分ごろからは徐々にスペインがボールを支配する流れになるが、日本は粘り強い守備で対処し、逆に12分には右サイドでのこぼれ球を大山がダイレクトで強烈なミドルを放つが、シュートはわずかに右へ外れる。
これ以降、日本がボールを持つ時間帯も増え始め、16分には小山がミドルもGK正面。スペインは日本の集散の速さに対して受け身になる時間が多くなり、なかなかシュートチャンスが作れなくなる。33分には佐々木の直接FKをスペインGKアストララガが両手でクリア。
前半終わりごろは、日本のハイプレスが外され、後ろが連動して無くて中盤にスペースが生まれ、そこをスペインに使われて何度か危ないシーンは作られたが、そのままスコアレスで前半を終了する。
後半は開始直後にGKにプレスをかけた松窪がターンオーバーもゴールならず。その後はスペインがロングボールで日本のハイプレスをすっ飛ばす狙いを見せるのだが、日本の高いボール回収能力の前に、前線で基点が作れない。
9分には、CKからの流れでボールに反応した松窪のキックがゴールのわずか上に外れる決定機となる。11分にも松永がカットインからシュートもGKがセーブ、12分のCKから早山が反応するもGKがキャッチ。
しかし21分、スペインはDFからのフィードでコラレスが抜け出し、カットインからシュートもゴールポストの内側に当たる超決定機。日本も25分に縦パスから抜け出した土方がシュートもバーの上。29分には佐々木のカットインからシュート、GKが弾いたボールを柏村が詰めるもゴールならず。
35分にはアーリークロス気味のパスに早山が頭で合わせるが、これもわずかに外れてゴールならず。後半ロスタイムには笹井が縦パスを受けてターンからシュートも相手がブロック。そのまま試合はスコアレスで90分が過ぎ、延長戦に突入する。
延長の序盤はややスペインに押し込まれる流れになるが、日本もすぐ盛り返し、8分には中盤でパスカットした白垣がシュートもGKが防ぐ。すると延長前半12分、日本が左サイドでFKを得ると、大山のキックに競り合った米田の後頭部にボールが当たってゴールに吸い込まれ、日本がとうとう先制する。
その後は当然スペインが反撃するも、延長後半はまた日本がポゼッションを回復。6分には土方のクロスに松窪が飛び込むが、スペインがぎりぎりでクリア。13分にはスペインに強烈なミドルを浴びるがわずかにバーの上。
ロスタイムにはスペインがパワープレイ、3分にはクロスが柏村の手に当たったというスペインのアピールでVARになったが結果はノーファール。そのまま日本は何とか逃げ切り試合終了、日本は2年前に敗れた前回王者スペインに勝利、オランダとの準決勝へ進出した。
日本は飛び抜けた選手こそいないが、かつてのなでしこに比べるとパススピードが向上していてサイドで基点を作れているのと、とにかく良く走ってスペインの選手をほとんどフリーにさせなかったのが勝因。次もしっかり勝って、アメリカか北朝鮮との決勝が見てみたいね。