「エクアドルのリチャル・カラパスがツール初勝利」ツール・ド・フランス2024 第16・第17ステージ

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2回目の休養日が明けた第16ステージは、グリュイッサンからニームまで南仏プロヴァンスを横切る188.6kmのリエゾンステージ。途中で4級山岳が1つあるだけのフラットなコースだが、横風が強いせいもあってピレネーの疲れが残った選手たちは本格的なアタックをせず、ほぼ集団のままスローペースでレースが進む。

ちょうどコースの真ん中地点に儲けられた中間スプリントでは、フランスのブライアン・コカールがトップ、フィリップセンが2位、ギルマイが4位で通過。これをきっかけにフランスのトマ・ガシニャールが単独でアタック、途中で2分半の差がつくがメイン集団もそれ以上は逃さない気配。

ガシニャールは4級山岳をトップ通過したものの、残り25km地点でメイン集団に吸収され、そのままゴール地点のニームに突入。すると残り2km地点のラウンドアバウトで落車が起こり、なんとマイヨヴェールのギルマイが巻き込まれてしまう。

メイン集団はかなり縦に長い展開になったまま残り1kmを通過、ファンデルプールが引いた状態で最後のコーナーをクリアすると、番手に付けていたフィリップセンが早めにスプリントを仕掛ける。クリストフやバウハウスらも追撃するが時すでに遅し。フィリップセンが1車身以上の差を付けて圧勝した。

落車によってノーポイントだったギルマイとフィリップセンのポイント差はこれで一気に32ポイントへと縮まったが、残念ながら今年のツールは最終ステージがニースでの個人タイムトライアルで、平坦コースはこれで終わり。あとは中間スプリントでの争いになるが、よほどのアクシデントが起こらない限りは逆転は難しいだろう。

水曜日の第17ステージは、サン=ポール=トロワ=シャトからシュペルデヴォリュイまで177.8km、ローヌ渓谷からアルプスに至る中級山岳ステージ。ラスト40kmで2級、1級、最後は3級山岳を登りきってのゴールという胸突き八丁が待っている。

今大会はポガチャルとヴィンゲゴーのおかげで逃げ屋受難の大会になっているが、このステージは逃げが得意な選手にとっては大きなチャンス。スタート直後は強風で集団を形成する時間が続くが、60kmを経過した時点でティシュ・べノート、ボブ・ユンゲルス、ロマン・グレゴワール、マグナス・コルトの4人が飛び出して逃げグループを形成する。

残り63km地点の中間スプリントでは、逃げの4人が先頭で通過、メイン集団ではギルマイがフィリップセンに先行して通過、ポイント差を1つ広げる。ここでメイン集団が活性化、アタック合戦が繰り広げられた結果40名の追走集団が形成され、メイン集団は逃げを容認してペースダウン。

先頭では2級山岳のバイヤール峠をマグナス・コルトがトップ通過、次の1級山岳ノワイエ峠の上りで追走集団からマルタン、マドゥアス、サイモン・イェーツが追いつき、サイモン・イェーツが単独で先頭に立つ。逃げの6人からはカラパスとウィリアムズが追走、カラパスだけがサイモン・イェーツに追いつく。

頂上まで残り2kmを切った地点でカラパスがアタックすると、サイモン・イェーツはジリジリと差を広げられてしまう。そして8分後方のメイン集団ではまたもポガチャルがアタック、頂上ではエヴェネプールとヴィンゲゴーを10秒以上引き離すも、下りでアシストのラポルトがヴィンゲゴーに合流、結局ポガチャルに2人は追いついて最後の3級山岳シュペルデヴォリュイへ。

先頭ではカラパスが快調に上りをこなし、そのまま逃げ切って嬉しいツール・ド・フランス初、そしてエクアドル人として初のステージ優勝。メイン集団ではエヴェネプールがアタックするも、ポガチャルとヴィンゲゴーは静観。結局7分13秒遅れでエヴェネプールがゴール、10秒後にポガチャルがスパートでヴィンゲゴーを2秒離してゴールした。

今日の第18ステージは、3級山岳が5つのみというアルプスにしては難度が低い、ファンデルプールやファンアールトといったワンデイレーサーにとっては絶好のステージで、彼らの豪快な逃げが楽しめそうである。

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