「ポガチャルがピレネー初日の超級山岳頂上ゴールを制す」ツール・ド・フランス2024 第13・第14ステージ

スポンサーリンク

第13ステージは、ガロンヌ川流域のアジャンからピレネー山岳のベースキャンプと言えるポーまでの165.3km、ほぼ平坦のステージ。前日に転倒したログリッチ、総合8位のアユソがコロナでスタート前にリタイアしている。

いわゆるリエゾンステージという位置づけで静かな展開になるかと思われたのだが、ピレネー連戦の前のワンチャンを狙う選手が次々にアタック、いったんは20名の逃げグループが作られるが、中にアダム・イェーツが入っているのを警戒してメイン集団も1分以内の差で追撃する展開。

横風区間に入ると、ヴィズマチームがペースを上げて集団の中切れを起こそうとするが、ポガチャルやカルロス・ロドリゲスもアシストが必死に追撃して何とかヴィズマに合流する。逆にカヴェンディッシュは集団から遅れてしまう。

先頭集団では残り100kmを切った地点からコルトが抜け出し、クフィアトコフスキとロマン・グレゴワール、ジュリアン・ベルナールが追いついて先頭は4名になる。そして中間スプリントポイントで残りの逃げグループはメイン集団に吸収される。

残り50km地点で逃げは集団に吸収され、そこからも何度かアタックはあったのだが全て不発、結局最後は集団によるスプリント合戦となり、最後は早めに仕掛けたフィリップセンがファンアールトを下してステージ優勝。マイヨヴェールのギルマイは仕掛けが遅くてトップ争いに加われず4位に終わった。そして総合争いに動きは無し。

そして第14ステージは、ポーからサン=ラリー=スーラン・プラダデまでの151.9 km。ツールではおなじみの超級山岳ツールマレー、2級山岳を経て最後はサン=ラリー=スーラン・プラダデの超級ステージという、今大会最初の頂上ゴール。

当然、最初から激しいアタック合戦が繰り広げられるが、なかなか逃げが決まる気配は無く。ようやくスタートから40kmを過ぎてファンデルプールを含む4人の逃げが決まったように見えたが、まだ集団からは追撃の選手が絶えない流れ。

残り100kmを切って少しメイン集団が諦めた空気が流れた瞬間、4人の追撃集団が飛び出して逃げていた4人に合流。さらにギルマイとフィリップセンを含む第2集団が形成される。山岳賞ジャージのアブラハムセンは集団の後ろに留まり、本日は白旗状態。

トゥールマレーの麓にある中間スプリントでは、9位の座を争ってギルマイとフィリップセンが争ったがギルマイが先着、1ポイントの差をプラス。ここでスプリント争いの両者は逃げ集団から降りてメイン集団へ吸収。

登りに入ると先頭集団と追走集団が合流、頂上付近でダヴィド・ゴデュがアタックすると、オイエル・ラスカノが反応、ゴデュを交わして山頂をトップ通過、ジャック・ゴデ記念賞を獲得した。

2級山岳ウルケット・ダンシザンの山頂はゴデュが取ると、最後の頂上ゴール、サン=ラリー=スーラン・プラダデへの登りでは逃げ集団からゴデュとベン・ヒーリーが抜け出し、残り10km地点でベン・ヒーリーがペースを上げて単独での逃げに入る。

メイン集団はUAEが猛烈にペースアップ、そして残り7km地点でUAEのアダム・イェーツが単独でアタック、ヒーリーに追いついて先行アシストを図ると、後ろでは残り5km地点でポガチャルが満を持してスパートする。

当然、ヴィンゲゴーとエヴェネプールが反応するが、ポガチャルとの差はジリジリと広がっていく。ポガチャルはイェーツに追いつくが、落ち着くこと無くそのまま抜き去ってハイペースを維持、後ろではヴィンゲゴーがエヴェネプールを置いて何とかペースに付いていく。

結局ポガチャルはそのまま逃げ切ってステージ優勝、ヴィンゲゴーは39秒遅れ、エヴェネプールは1分10秒差でゴール。これでヴィンゲゴーがエヴェネプールを抜いて単独2位、しかしポガチャルとの差は1分57秒に広がった。

ポガチャルがアシストを使って最後までスパート力を温存すると、今のヴィンゲゴーでは勝ち目が薄くなるので、何とか個人同士で長い距離の登りで勝負したいところだが、チーム力でUAEがヴィズマを上回っていて難しい状況。現状では、ヴィンゲゴーはポガチャルのバッドデイがやって来るのを待つしか無さそうだ。

モバイルバージョンを終了
タイトルとURLをコピーしました