準々決勝では開催国ドイツを破ったスペインと、ポルトガルとPK戦の末に勝ち上がったフランスが対戦する準決勝。
スペインのフォーメーションは4-2-3-1で、1トップがモラタ、2列目がニコ・ウィリアムズ、ダニ・オルモ、ヤマルの並び。対するフランスは4-3-3で、1トップがコロ・ムアニ、ウイングがエムバペとデンベレという布陣。
試合はスペインが安定したポゼッションでペースを握るが、いきなり9分にエムバペのキープから抜ききらずに上げたクロスを、コロ・ムアニがファーでヘディングを決めてフランスがあっさり先制する。
スペインは、左サイドのニコ・ウィリアムズが中へ絞って、空いたスペースにククレジャが上がって分厚く攻めつつ、右サイドのヤマルにサイドチェンジを通して勝負させる攻撃で、フランスの守備を崩しにかかる。
しかしそういう相手に対しては本来ならフランスが強く、カウンターからエムバペにボールを集めてカットインから強烈なシュートというのが定番なのだが、肝心のエムバペはフェイスガードは付けてないがプレイに精彩を欠いて得点に絡めない。
逆に前半21分、ダニ・オルモの仕掛けからボールを拾ったヤマルが、カットインから左足で巻いて落とすゴラッソを叩き込んで同点に追いつく。さらに25分、スペインがバイタルでボールを支配して、クロスのこぼれ球を拾ったダニ・オルモが縦突破からシュート、これがクンデの足に当たって逆転ゴールが決まる。
フランスはエムバペがマークされている分、デンベレへサイドチェンジを通して勝負させるのだが、スペインもククレジャが体を張ったカバーで決定機を作らせない。そのまま2-1で前半を終了する。
後半はフランスがクンデが攻撃参加するなど攻勢を強め、9分にはCKからヘディングシュート、12分にはエムバペが左からシュートもGK正面。15分にはデンベレがニアへシュートもウナイ・シモンが左手で防ぐ。
フランスは22分にコロ・ムアニとラビオ、カンテを下げてバルコラ、グリーズマン、カマヴィンガを投入する3枚替えで、エムバペが1トップに入る。31分、フランスはグリーズマンのクロスから折り返したボールを最後はテオ・エルナンデスがシュートも枠に飛ばせない。
ここでスペインはオヤルサバルとミケル・メリーノのソシエダ勢を投入、フランスもデンベレに代えてジルーをトップ下に入れ、グリーズマンが右SHに入った4-4-2にする。41分にはフランスがカウンター、エムバペが得意のカットインからシュートもバーの上。
後半ロスタイムにはスペインがニコ・ウィリアムズとヤマルを下げる守備固め。フランスは5分に左からのクロスにグリーズマンがヘッドも大きくバーの上、フランスは結局最後まで本来の攻撃力を見せられず試合終了。スペインがまず決勝戦に名乗りを上げた。
スペインは安定したパス回しとダニ・オルモの間受け、ヤマルとニコ・ウィリアムズ、ククレジャの分厚いサイド攻撃でフランスを圧倒、今大会最強のチームである事をまた証明した。フランスはとにかくエムバペの不調が完全に誤算。中盤にクリエイティブが無いので、個人でどうにか出来ないと守備だけでの優勝は難しい。
今朝の試合でイングランドがオランダに勝利したために決勝のカードはスペイン対イングランド。最も見ていて楽しいチームと、つまらないチームというカードになったが、果たして優勝はどちらになるのだろうか。