ベスト16でルーマニアに快勝したオランダと、グループリーグで旋風を巻き起こしたオーストリアを破ったトルコが対戦した準々決勝。
オランダのフォーメーションは4-2-3-1で、1トップがデパイ、2列目がガクポ、シャビ・シモンズ、ベルフワインの並び。対するトルコは5-4-1で、1トップがユルマズ、アルダ・ギュレルは右SHで先発。
トルコは5-4のブロックを作って自陣を固め、オランダがボールを支配する流れで始まり、オランダは序盤からブロックの前でミドルシュートを放つ策を見せるが、なかなか枠を捉える事が出来ない。トルコはギュレルが中に移ってゼロトップの位置に入り、基点を作る狙い。
25分を過ぎると徐々にトルコもオランダの攻撃に慣れて、良い形を作れるようになる。29分にはFKからゴール前でユルマズが合わせたり、30分にはギュレルのスルーパスからユルマズが抜け出すなど、惜しい場面を作る。すると35分に、トルコはCKが流れたところを拾ったギュレルがクロス、これにCBアカイドゥンが頭で押し込み先制点をゲットする。
後半になると、オランダはシンプルにDFの裏やクロスを放り込む攻撃でトルコに圧力をかける。しかし相変わらずシュートはアバウトで、むしろロングボールを拾われファン・ダイクにイエローカード、そこからのFKを流してユルディズがシュートもオランダGKフェルブルッヘンがかろうじて防ぐ。
試合の流れ的には明らかにトルコだったが、オランダは後半26分にアーリークロスからフリーになっていたデ・フライがヘディングを突き刺し、起死回生の同点ゴールを決める。さらに31分、右サイドからの折り返しにガクポが飛び込み、DFと交錯したボールがゴールに入り、オランダが一気に逆転する。
トルコは当然猛攻を見せ、後半40分には連続攻撃を見せるがフェルブルッヘンのセーブやDFのブロックで必死に守る。ロスタイムにはトルコがクロスからフリーでクルチソイが合わせるも、またフェルブルッヘンに防がれる。そしてオランダがそのまま2-1で逃げ切りベスト4へと進出した。
試合としてはシーソーゲームで面白かったが、フランスやスペインと比べると組織力、守備の強度が一段落ちるレベルだったように思う。オランダが準決勝で対戦するイングランドは、しょっぱいサッカーで勝ち上がってきたフィジカルチーム。分が悪い戦いだが、果たして結果はどうなるか。