「決してマラドーナだけでは無かったアルゼンチンの優勝」1986年メキシコW杯決勝 アルゼンチン-ドイツ

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今回のNHK「FIFAワールドカップ伝説の試合ノーカット」は、86年メキシコ大会の決勝、アルゼンチン対ドイツの試合。

アルゼンチンのフォーメーションは表記上は3-4-3だが、実質はマラドーナのゼロトップで、バルダーノとブルチャガがサポートする形。ドイツは4-4-2でCBにマテウス、ボランチにマガト、FWにルンメニゲと日本でも馴染みのあるスターが揃う。

試合はドイツがボールを保持する展開、サイドへ展開してクロスという攻撃が多い。アルゼンチンはボールを奪うと、とにかく前線の3人にボールを集める形。マラドーナにはマテウスがマンマーク、今だったらイエロー、レッド確実な、背後から足ごと刈るスライディングで徹底的に封じ込めている。

23分、右サイドからのFKにドイツGKシューマッハーが飛び出すも触れず、ブラウンのヘッドが決まってアルゼンチンが先制。ドイツは7人が中央を固めるアルゼンチンの守備をなかなか崩せず、後半からFWにルディ・フェラーを投入する。

後半はドイツが攻勢を強めてサイドを高く上げ、アルゼンチンを押し込む展開。しかし5分に、アルゼンチンはカウンターから3対1、ブルチャガがドリブルでPAまで入るがフェルスターが間一髪クリア。さらに10分、マラドーナを起点にバルダーノが抜け出し、ファーに流し込んでアルゼンチンが追加点。

25分を過ぎると、ドイツは途中投入したヘーネス目掛けてパワープレイに移行、アルゼンチンはマンマークで徹底して跳ね返す。ようやく後半29分、CKをニアで反らせたボールをルンメニゲが押し込んでドイツが1点を返す。さらに35分、CKからファーで折り返したボールにフェラーが反応して頭で押し込み同点。

しかし38分、マラドーナが3人に囲まれながらもダイレクトでスルーパス、これに抜け出したブルチャガが冷静に決めてアルゼンチン勝ち越し。42分には、アルゼンチンがカウンターからリターンを受けたマラドーナがドリブルで一気に抜け出し、GKと交錯して思いっきり倒れる有名なシーン。実際はその前のファールを取られてFKとなった。

そして2分間のロスタイムもスコアは動かず、試合は3-2で試合終了。アルゼンチンが2大会ぶり2度目の優勝、マラドーナが初めてワールドカップを空に掲げた。「神の手」ゴールや5人抜きなど、マラドーナの大会と呼ばれたメキシコW杯だが、ブルチャガ、バルダーノといった攻撃のタレントに加え、献身的で粘り強い守備陣があってこその優勝だったのは間違いない。

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