プレミアリーグの熾烈な優勝争いを繰り広げているアーセナルは、今節はスパーズとアウェイでノースロンドンダービーという正念場。しかもスパーズが2週間空いているのに対し、アーセナルは中4日と日程面で大きな差がある試合。
スパーズは4-2-3-1で1トップがソン・フンミン。アーセナルは4-3-3で、冨安が左SBで先発、中盤はトーマス、ライス、ウーデゴール、前線はハヴァーツ、トロサール、サカの3人。
試合はダービーらしくガツガツと局面が激しい展開でスタート。冨安はスパーズの右SHクルゼフスキをマンマークしながら、攻撃時にはライスが上がったスペースを埋める偽SBのポジションを取っている。
先制したのはアーセナル。前半15分に、CKから冨安と競っていたホイビュアの頭に当たってオウンゴールが決まってしまう。しかしスパーズは20分にセットプレイから立て続けにロメロに決定的なヘディングを浴びると、22分にCKのこぼれ球からファン・デ・フェンに押し込まれるがVARの判定はオフサイド。
得点までクルゼフスキをマンマークしていた冨安は、その後ゾーンを守ったポジショニングに変更、クルゼフスキに対しては左SHのトロサールが下がって2対1で対応するように、アーセナルは左サイドの守備を変化させる。
さらに前半27分、アーセナルは自陣PAからカウンター、サイドチェンジを受けたサカがカットインからシュートを決めて鮮やかな追加点。さらに前半38分、CKからハヴァーツがニアで合わせて3点目、アーセナルが前半だけで大きなリードを生んで折り返す。
後半3分、FKにファーで飛び込んだ冨安がヘッドもバーの上。8分にはハヴァーツのクロスにサカがボレーもスパーズGKヴィカーリオが足1本でセーブ。ところが後半19分、ラヤがバックパスを受けて迷ってロメロの胸にパス、そのままゴールを決められスタジアムの空気が一変する。
25分には冨安が1対2の状況を作られながらインターセプト。その後もスパーズは右サイドのジョンソンが何度もドリブルを仕掛けるが、マルティネッリも守備に戻って対応する。すると後半40分、PA内でライスがボールをクリアしようと蹴り出した足が相手に当たりPK。これをソンが決めて1点差。
ロスタイムはアーセナルが5バックにして完全に守り切る体制。そのまま何とかスパーズの猛攻をしのぎ切って2-3で試合終了。前半のアーセナル楽勝ムードとは打って変わって薄氷の勝利だった。これでアーセナルは2試合消化が少ないシティに対して暫定で勝ち点4差の首位。リバプールが脱落していよいよ一騎打ちの様相となった。
冨安は、リードしてからはSBよりも4人目のCBとしてプレイ、上手くスパーズのサイド攻撃を抑え込んで勝利に貢献。足を気にしている場面があったのが気がかりだが、フル出場は監督からの信頼の証。何とか最後まで頑張ってほしいね。