全国高校サッカー選手権の準決勝、青森山田対市立船橋の次のカードは、滋賀県の近江と東京都の堀越との対戦。近江のフォーメーションは3-4-2-1で、堀越は4-3-3の形。
試合の序盤は堀越がショートパスを繋いでサイドへ展開、近江を押し込む展開で始まるが、徐々に近江が本領を発揮、各選手がトラップで前を向いてドリブルでボールを運ぶ攻撃を展開、11分に山門が中央でドリブルから持ち込んでシュート、こぼれ球を拾った鵜戸のシュートがGKの頭上を抜いて近江が先制する。
その直後にも、右WBの金山がパスカットからワンツーで持ち上がり、また鵜戸がシュートを放ったこぼれ球を山門が押し込み、近江があっという間に追加点を決める。堀越も反撃を仕掛けようとするのだが、2点を取って勢いが出た近江のハイプレスをなかなか掻い潜れない。
すると前半22分、近江は自陣から鵜戸がドリブル、西、金山と繋いでPA内に侵入、最後は折り返しをCBの金山が押し込んで近江が3点目。その後は少し堀越が落ち着いた対応を見せるが、近江のペースは変わらずそのまま3-0で前半を終了する。
後半から堀越は選手を交代、フォーメーションを3-4-2-1に変更して近江とポジションをマッチアップ、混乱した前半の守備を修正にかかる。そして近江のDF裏へボールを送る攻撃を織り交ぜ、近江のドリブルを低い位置に押し込む狙いが見える。
しかし後半10分過ぎにはまた近江が盛り返し、20分頃には連続してシュートのチャンスも堀越GK吉富が防ぐ。堀越もボールを奪ったら人数をかけて相手陣内に攻め込み、34分にはアーリークロスにGKがキャッチしようとしてこぼれたボールをシュートも、近江の選手がブロックしてゴールならず。
そして後半ロスタイム2分、高谷のポストから高木が抜け出し、近江GK小出が飛び出して倒したプレイにPKが与えられ、これを中村が決めて1点を返す。しかし堀越の反撃もここまで、近江が3-1で勝利して決勝戦へと進出した。
かつて乾貴士らを擁してセクシーフットボール旋風を巻き起こした野洲高校を思い起こさせるような滋賀県勢の躍進。本日開催される決勝の対戦相手は青森山田。ドリブラーチームはフィジカルハイプレスチームには弱いというのが定説で、かなり近江にとっては分が悪い相手だとは思うが、それを覆すような良い試合を期待したい。