今年のルヴァンカップの決勝は、勝てば3度目の優勝となる浦和レッズと、初タイトルを狙うアビスパ福岡との対戦、新国立競技場に6万人以上の観客を集めてのキックオフ。
浦和のフォーメーションは4-2-3-1、1トップがホセ・カンテ、2列目が小泉、早川、高橋の並び。対する福岡は3-4-2-1、1トップが山岸、シャドーが前と紺野という形。
福岡は表記的には3バックだが、実質的には5-4-1のフォーメーションで、とにかくボールを奪ったら前線にボールを放り込んでのカウンター狙い。すると前半5分、DFのクリアボールを山岸が上手く収めてポスト、前のパスに紺野が抜け出し、折返しを飛び込んできた前が押し込んで福岡が先制する。
リードした福岡は、5バックに変化は無いもののラインは下げずに高い位置を保ち、浦和の攻撃を寸断。14分にもシュートを放って試合の主導権を握り続ける。浦和はようやく35分過ぎに波状攻撃を見せるが福岡がしっかり対処。逆に40分には福岡がCKからシュートの場面を作るが浦和GK西川が防ぐ。
さらに前半のロスタイム、福岡がCKからセカンドボールを拾い、左に流れた紺野へ展開すると、また紺野の折返しにニアで宮が合わせてゴール、まさかの福岡が前半で2点をリードして折り返す。
後半から浦和は2列目の早川と高橋を下げて安居と大久保を投入。しかし後半10分に、福岡がカウンターからドゥグラス・グローリがドリブルで持ち上がり、右サイドからカットインでホイブラーテンを抜き去ったところで体ごと止められPK。しかし山岸のキックはコースが甘く西川がセーブ。
ここで浦和は伊藤敦樹と小泉に代えてリンセンと明本を投入、4-4-2のフォーメーションに変更する。すると後半22分、酒井からのアーリークロスに明本が競り勝ち、胸トラップからシュートを決めて浦和が1点を返す。
34分に浦和ホセ・カンテのミドルは福岡GK永石がセーブ、40分のFKはセカンドボールを拾うなど、その後も福岡の守備は崩れず。後半ロスタイム5分にはPAのすぐ右で浦和がFKのチャンスを得るが、マイナスに蹴ったキックを誰も受けられずラインを割ってしまう。その後の猛攻も最後まで耐えきり、試合は2-1で終了。アビスパ福岡がルヴァンカップ優勝を決めた。
チームの力量的には浦和のほうが上ではあったが、初タイトルがかかっていても変な色気を出さず、自分たちがやれる事をきっちりやりきった試合はお見事だった。おめでとう、アビスパ福岡!