前回の対戦ではリバプールに3-0と圧勝したブライトンは、今度はFAカップで再戦。ただ、ブライトンはCBのコルウィルとララーナが怪我で離脱、カイセドは伊籍志願をクラブに咎められて練習に不参加という事で、ベストからは遠い状態。
ブライトンは4-4-2のフォーメーションで、三笘は左SHで先発、GKがスティール、右SBがランプティ、2トップはウェルベックとファーガソンという並び。リバプールは4-3-3で前線はガクポ、サラー、エリオットの3人。
試合はいきなりカウンターからサラーがシュートも、ライン際でギリギリクリア。直後には三笘のドリブルから中へパス、7分にもまたサラーが抜け出しクロスをクリア、10分には三笘がアレクサンダー=アーノルドをぶち抜いてクロスという見慣れたシーンなど、互いにスピーディーな攻撃を繰り出す序盤。
15分には中盤でボールを奪ってからマーチがドリブル、折り返しをフリーのファーガソンがシュート、16分にはまた同じように奪ってマーチがシュートもバーの上と、ブライトンが立て続けに決定機。21分にはファーガソンへのパスリターンをもらってフェイントから左足シュートもGKアリソンにセーブされる。
リバプールも25分にスルーパスからサラーが抜け出すが、シュートはボテボテで右に外れる。30分にはインナーラップしたエストゥピニャンに三笘がダイレクトのスルーパスを通すがカットされる。逆に31分、リバプールがカウンターからサラーが飛び出し、エリオットがニアゾーンに入ってサラーのパスをダイレクトで決め、リバプールが先制する。
33分、また三笘はアレクサンダー=アーノルドを振り切ってカットイン、3人引き連れて最後はPA内に入るがボールを失う。そこからしばらく攻めあぐねる時間が続いたが、38分にCKのこぼれ球を後ろから走り込んだランプティがミドル、これがダンクの足に当たってコースが変わりゴールイン、ブライトンがラッキーな形で同点に追いつく。
後半3分、マーチの大きなクロスに三笘がファーで飛び込むがわずかに合わず。10分には、左サイドでパスを受けて一旦はスピードダウン、バックパスをすると思わせた次の瞬間に縦突破、えぐってのクロスはアリソンに当たったが、マーチの胸トラからグロスがボレーも枠外の決定機を演出。
リバプールも12分にアレクサンダー=アーノルドのダイレクトクロスがサラーにピンポイントで届くが、胸に当ってしまい左に外れて得点ならず。ここでリバプールはヘンダーソンとミルナーを投入、ミルナーはアレクサンダー=アーノルドに代わって右SBに入る。
このあたりから、カイセドがいない影響かブライトンの中盤が空き気味になり、リバプールが攻撃のペースを握る展開。ミルナーはアレクサンダー=アーノルドと違って三笘に対して素早く間合いを詰めて自由にさせず、ブライトンはなかなか攻撃の糸口がつかめない。
しかし後半26分、ダンクのパスから三笘が左へ抜け出し、右足アウトサイドのクロスがマーチにピタリと合うが、シュートはアリソンが詰めて体に当て、ゴールにはならず。だがこのチャンスがまたブライトンに勢いを与え、35分にはマーチがえぐって折り返しをフリーのファーガソンがシュートもリバプールが決死のブロック。
そして後半ロスタイム、三笘が右サイドで絡んだ攻撃でマカリスターが倒されファール、キックは左サイドのエストゥピニャンに渡り、ファーに送ったふんわりクロスをウンダヴの裏で受けた三笘が右足アウトでトラップ、リバプールのDFが全員シュートを打つと思ってカバーに入った瞬間、再び右足でボールを浮かしてアウトでシュート、アリソンは全く反応できないスーパーゴール。このままブライトンが逃げ切り、逆転で5回戦へと駒を進めた。
相手選手はおろか観客全員の予測を裏切る、まるでベルカンプかピクシーのようなゴールを決めた三笘には、世界中から賛美の声が上がっているわけだが、確かに前回のゴラッソを上回るプスカシュ賞ノミネートものだとは思うけど、正直持ち上げられ過ぎでちょっと薄気味悪くなるね(苦笑)。お客さんのアレクサンダー=アーノルドが引っ込んでミルナーが出てからはかなり封じられたし、本当の真価はこれから問われるんじゃないだろうか。