3チームが残ったアジア勢で最初に決勝トーナメントに出場したオーストラリアは、グループCを1位で突破したアルゼンチンと対戦。アルゼンチンのフォーメーションはゼロトップにメッシを置いた4-3-3で、オーストラリアは4-4-2の形で、岡山所属のデュークがFWで先発。
試合は自陣に4-4-2のコンパクトな3ラインのゾーンディフェンスを敷くオーストラリアに対し、ボールをゆったり回しながら攻め手を探すアルゼンチンという時間が続き、そのまま前半20分まで両チームシュート無しという静かな立ち上がり。
前半19分に、オーストラリアはベヒッチがPA内に切れ込むもシュートまで行けず。25分ごろからはオーストラリアがジリジリとポゼッションを前進、28分にはCKからサウターがヘッドというシーンを作る。
すると前半34分にアルゼンチンは右サイドの深いところでFKを得る。キッカーはメッシで、一度はオーストラリアに跳ね返されるが、再びボールを受けるとカットインの動きから、ワンツーのパスをメッシがオーストラリアDFの股を抜くシュートをゴール左に流し込み、アルゼンチンが先制する。
後半になると、オーストラリアがラインを上げてハイプレスを仕掛ける形。アルゼンチンは前半から3バック気味にする形が多かったが、5分にリサンドロ・マルティネスを入れて明確な3バックに変更。すると後半12分、オーストラリアGKライアンに対して、アルバレスとデ・パウルがプレスを仕掛け、ボールを奪ったアルバレスがそのまま流し込みアルゼンチンが追加点。
後半27分にアルゼンチンはラウタロ・マルティネスら2人を投入、オールストラリアは18歳のクオルを含む3人を交代。すると後半32分、オーストラリアは左サイドからのアーリークロスをアルゼンチンがクリアしたボールをグッドウィンがダイレクトでシュート、これがDFをかすめてコースが変わりゴールイン。
さらに後半35分、オーストラリアはベヒッチが単独でPA内にドリブルで切れ込み、シュートはギリギリでキリアされ、CKからフルスティッチがカーブをかけたシュートは左に外れる決定機。アルゼンチンも後半44分にメッシのドリブルでの溜めからPA内でどフリーのラウタロにパスも、まさかの宇宙開発。
後半ロスタイムも全く同じようなシーンでラウタロのシュートはオーストラリアGKライアンが止める。さらにメッシのカットインからのミドルはわずかに枠外。5分にはアルゼンチンがゴール前でパスを繋いで、最後はラウタロがシュート、ライアンが足で止めたボールをメッシが狙うが枠外。
ロスタイム7分、オーストラリアはクロスからファーサイドにいたクオルがトラップでマークを交わし、振り向きざまにシュートを放つが、アルゼンチンGKエミリアーノ・マルティネスが腕1本でかろうじて止め、ここで試合終了。アルゼンチンが順当にベスト8へ進出した。
アルゼンチンはサウジに負けた時にはどうなるかと思ったが、アルバレス、マクアリスタ、エンソといった若手を抜擢した事で持ち直し、メッシをデ・パウルが上手くサポートしてバランスが整ったチームになっている。あとは絶不調のラウタロにゴール感覚が戻れば優勝も見えてきそうだ。
オーストラリアは正直、アルゼンチンははっきり力の差があった。それでも諦めず、最後までファイトして力を出し切ったのは立派だった。さて今日の深夜はいよいよクロアチア戦、日本がアジア勢としてベスト8の壁を破れるのかどうか注目である。