いよいよツール・ド・フランスもクライマックス、ピレネーの山岳ステージ3連戦がスタート。まず最初の第16ステージは、1級山岳を2つ、最後のミュール・ド・ペゲールで18%の激坂をこなした後に27kmの長いダウンヒルを経てのゴールというコース。
まずスタートしてからすぐに逃げが成立、マイヨヴェールのファンアールトを含めた29人の集団が形成され、さらにそこからヨルゲンソン、グジャールと抜け出すが、50km地点で吸収。68km地点のスプリントポイントではファンアールトが2位で通過。
残り65km地点、最初の1級山岳ポール・ド・レルスの上りに差し掛かったところで、逃げ集団からカルーゾとウッドが抜け出し、ストーラーが追撃する展開に。メイン集団は8分近く離され、逃げ集団で最も総合タイムが早いウラソフが10分差で付けているため、ユンボ・ヴィズマやイネオスチームが集団のペースを上げ始める。
レルス峠の頂上では結局山岳賞のゲシュケが1位で通過。メイン集団では残り2km地点でポガチャルがアタック、当然食らいつくヴィンゲゴー、マイペースで追いつくゲラント・トーマスという毎度のシーン。しかしここで総合4位のバルデが遅れ始める。ポガチャルは下りでもアタックと執念を見せる。
先頭ではいつの間にかユーゴ・ウルが単独で抜け出し、20秒差でギャロパンが単独で追撃、その20秒後ろに6人の集団という形になり、2つ目の1級山岳ミュール・ド・ペゲールへの上りに入る。残り3kmの急勾配区間で、ギャロパン、カルーゾと遅れ始め、追撃集団はウッズ、ストーラー、ヨルゲンソンの3人に絞られる。
メイン集団が急勾配に入ると、マイカがポガチャルを引き連れて先頭に立ち、ハイペースで引っ張る。ついて行くのはヴィンゲゴー、クス、キンタナ。ここでマイカがチェーン切れのアクシデント、クスが代わりに先頭に立ってさらにペースアップ、ポガチャルのアタックを封じ込めて頂上を通過する。
ゴールまでの長い下りで、逃げ集団に入っていたファンアールトが下がってヴィンゲゴーに合流、ユンボ・ヴィズマは万全の形でピレネー初日を守り切る作戦。先頭では2位で追撃していたヨルゲンソンがスリップして落車、ウルの逃げ切りが濃厚になる。
結局、ユーゴ・ウルが最後まで逃げ切り、嬉しいツール初勝利を飾る。その後はマデュアス、ウッズ、ヨルゲンソン、ストーラー、ウラソフとゴール。ウルから5分50秒後にメイン集団がファンアールトが引っ張る形で波乱無くゴール。総合の上位に大きな変動は無かったが、逃げグループに入っていたウラソフが6分18秒差の8位にジャンプアップとなった。
ピレネー2日目の第17ステージは、2級山岳が1つ、1級山岳が3つ、最後はラスト300mが13%の激坂となっているペイラギュードの頂上ゴール。間違いなくポガチャルがラストスパートでヴィンゲゴーとの差を付けに来るだろう。