「ユンボ・ヴィズマの計略を、あっさり蹴散らしたポガチャル」ツール・ド・フランス2022 第6ステージ

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終盤に激坂が待ち受ける第6ステージは、翌日に本格的な山岳ステージが控えているとあって、前日同様に逃げがあっさり決まるかと思われたが、なんと1時間もアタック合戦が繰り広げられて集団のスピードが落ちない展開。

スタートから70kmを費やしてようやくファンアールト、クイン・シモンズ、ヤコブ・フルサンの3人による逃げ集団が固まった。マイヨジョーヌのファンアールトが逃げるとは前代未聞だが、ライバルチームを追撃させてアシストを疲弊させる狙いがあるのだろう。これでユンボ・ヴィズマは完全にヴィンゲゴーをエースにする体制で固まったようだ。

狙い通り、マイヨジョーヌの逃げを集団が許すはずもなく、イネオス・グレナディアーズやUAEチームエミレーツが逃げを追跡。残り66km地点でバイクトラブルでフルサンが脱落して逃げは2人に。さらにファンアールトは集団との差が1分に縮まったところでシモンズを切り離し、単独の逃げに移行する。

驚異的な粘りで逃げ続けたファンアールトだったが、さすがにスプリンターを擁するチームまで追撃に参加した集団のハイペースは抑えられず、残り10km地点でとうとう吸収。集団は残り6km地点にある平均勾配12%の激坂3級山岳、コート・ド・ピュルヴォントゥーへ差し掛かる。

ここで集団は長く伸びてピュアスプリンターは次々に脱落、そしてユンボ・ヴィズマのべノートが集団を牽引する中、最後の残り1.6km地点のコート・デ・ルリジューズで完全に集団はバラバラになって、総合争いのエース同士の戦いになる。

ゴールスプリントでまずログリッチがスパートをかけるが、しっかり番手を取っていたポガチャルが鮮やかなカウンターアタックを仕掛けると、これに誰も付いていくことが出来ず余裕のステージ優勝。ファンアールトは結局7分以上の遅れとなり、ポガチャルはボーナスタイムをゲットした結果、マイヨジョーヌを早くも獲得する事になった。

ユンボ・ヴィズマとしてはファンアールトを犠牲にしてまでチーム戦略を優先したが、ポガチャルの個人力だけで計略を蹴散らされえてしまった。第7ステージは、最大勾配20%の激坂、1級山岳プランシュ・デ・ベル・フィーユ頂上ゴール。体重が軽いヴィンゲゴーにとっては、ここがポガチャルに対抗する最大のチャンス。ここでポガチャルに勝てないようだと、ツールの行方は早くも決まってしまいそうだ。

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