「”北の地獄”で早くも優勝候補ログリッチが脱落」ツール・ド・フランス2022 第5ステージ

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第5ステージはパヴェと呼ばれる荒れた石畳を11箇所も通る、「北の地獄」と呼ばれる春のクラシックレース、パリ=ルーベの一部を使用する過酷な目玉ステージ。優勝候補を抱えるチームは、エースにトラブルが起こらないようにするのが第一の目的となる。

スタートから飛び出したのは、山岳ポイントが無いのにまたもやマグナス・コルト、そしてボアッソンハーゲンとファンデルホールン。しばらく3人の逃げは続いたが、集団からの追撃に成功したポーレス、サイモン・クラーク、グジャールの3人が合流して6人の逃げ集団が形成された。

最初にパヴェが登場するのは残り73km地点。その手前で、スプリントポイントをヤコブセンに次ぐ2位で通過したマイヨジョーヌのファンアールトが落車、アシストとチームカーの助けで何とかパヴェまでに合流。最初の11セクターのパヴェではステージ優勝候補だったペーター・サガンが落車で脱落するアクシデントが早くも起こる。

10セクターのパヴェで先頭集団がスピードアップ、これで昨年4位のオコーナーが遅れ、サガンと同様にステージ優勝候補だったマチュー・ファンデルプールも遅れてしまう。さらに総合優勝候補のログリッチが落車して復帰はしたものの肩を脱臼、ダブルエースのヴィンゲゴーがメカトラブルで集団から遅れるなど、ここまで強さを見せていたユンボ・ヴィズマチームが大ピンチに陥る。

それを見て、ディフェンディング・チャンピオンのポガチャルが集団でスピードアップ、セクター3に入るとストゥイヴェンのアタックに追随して2人で後続に差をつけて勝負に出る。ヴィンゲゴーはマイヨジョーヌのファンアールトのアシストを受けて追撃するが、タイム差はなかなか縮まらない。ログリッチもアシストのサポートを受けて追走。

ポガチャルとストゥイヴェンは、一時はヴィンゲゴーに1分以上の差を付けたが、ヴィンゲゴーがファンアールトと一緒に集団に復帰すると、2人がペースダウンしたのもあって少しずつ差は縮まっていく。ログリッチは集団に追いつけず、2分以上の差がついてしまってあきらめムードが漂う。

結局、逃げ集団の6人は最後まで続き、残り1km手前でポーレスが単独アタックを仕掛けるも追いつかれ、ファンデルホールンがスプリントで抜け出したかと思われたが、ゴールぎりぎりでクラークが差し込み、写真判定でクラークの勝利が決まった。

ポガチャルは51秒後にゴール、ヴィンゲゴーを含む集団はそこから13秒差まで詰めてゴール、ログリッチは結局2分59秒差を付けられて優勝争いから早くも脱落。ファンアールトは何とかマイヨジョーヌを守ったが、ポガチャルが19秒差の4位に迫って来た。果たしてユンボ・ヴィズマは明確にエースの交代はあるんだろうか?

第6ステージはアルデンヌ・クラシックばりに短距離の激坂が連発するステージ。残り5kmに3級山岳、ラスト1.6kmにも激坂があり、クラシックレーサーはもちろん総合争いでも確実にタイム差がつくステージになるだろう。

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