現在リーグ17位と、かろうじて残留圏内に引っかかっているマジョルカは、8位のアスレチック・ビルバオとホームで対戦。前回リーグ戦での対戦は、マジョルカがアウェイで何も出来ず0-2と敗れている相手。
マジョルカとビルバオともにフォーメーションは4-4-2で、久保はいつものように右SHで先発、2トップはムリキとアンヘル、ボランチにはセビージャとガラレタが入っている。
試合は上位のビルバオがボールを保持する流れで始まる。マジョルカは引き気味で3ライン守備を作ってビルバオを待ち構える形。久保は対面のムニアインを警戒して低めにポジションを取っていて、ほとんど攻撃には参加できない。10分には久保のショートコーナーからリターンをもらってシュート性のクロスもボテボテ。
15分ごろからマジョルカもボールを持てるようになり、ようやく久保がサイドチェンジを受けて胸トラップで前に進むが、味方と交錯してチャンスに出来ず。16分にはパスを受けてドリブル突破もサイドラインを割ってしまう。
すると21分、セビージャのパスが相手DFに当たって、マジョルカ右SBマフェオの前に転がり、マフェオが先にボールを触ってからヌニェスに倒されPK、これをセビージャが真ん中に蹴り込んで先制する。
さらに前半30分、マジョルカはスローインからの流れで高く上がったボールにムリキが競り勝ち、こぼれ球をアンヘルが振り向きざまのアクロバティックなシュートを決めて追加点を決める。37分にはスローインがこぼれたボールを久保がシュートも上手くヒットせず。
後半が始まってしばらくはビルバオのペースだったが、マジョルカはその時間帯を耐えて膠着状態に持ち込む。しかし後半14分に、ビルバオがバイタルで出したパスに、久保が反応して足を出したが、こぼれ球が相手に渡って最後は左からのクロスをラウール・ガルシアに合わされ1点差。さらに16分にCKからマークを受けながらベレンゲルがゴールで同点。
そこからはホームのマジョルカが反撃、24分には久保が相手のパスをカット、そこからシュートまで行くと、直後には久保がシュートも相手に当たる。31分にはカウンターから久保が相手を背負いながらパス、ムリキが抜け出すもシュートはGK正面。
しかし終盤はビルバオが押し込み、マジョルカは何度もゴール前で跳ね返すシーンが続く。が、後半37分にイ・ガンインのショートコーナーから久保がクロス、ダニ・ロドリゲスが合わせてムリキに当たり、そのこぼれ球を久保が押し込んでゴール、と思いきや実はポストとGKに当たってのオウンゴール。これが決勝点となって、マジョルカは降格圏から勝ち点6差の15位に浮上した。
今までのマジョルカは、中盤でパスが繋げないと後ろに下げざるを得なかったのだが、前線で競り勝てるムリキが入った事によいり、とにかく前へ蹴ってしまえばマイボールに出来る可能性が生まれたわけで、攻撃の選択肢という意味での柱が増えた。
それでもこれまでの久保だったら、頭上でボールが飛び交う展開にしびれを切らしてポジションを放棄、中盤に降りてバランスを崩しがちだったのだが、今は我慢して守備をしながらセカンドボールを粘り強く拾えるようになって来た。どんどん、”上手い選手”から”戦える選手”に進化していて頼もしい限りである。