「不動のキャプテン、吉田の不在が世代交代の波を引き起こす?」カタールW杯アジア最終予選 グループB 日本-中国

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ぶっちゃけ勝つには勝ったが、90分間完全に試合を支配しながらも2-0で終わり、裏のベトナム戦で4-0で勝利したオーストラリアとは得失点差で5の差を付けられた事を考えれば、非常に物足りない結果だったと言える。

とは言え、シュート数は16対2、中国の枠内シュートはゼロと、内容的にはこれまでの森保ジャパンとしては最も安心して試合を見ることが出来たのは確かだ。

その大きな要因となったのが、吉田と冨安という絶対的なレギュラーCB2人が欠場したために、急遽代役としてスタメンになった板倉と谷口の存在である。

中国戦のプレビューで、守備陣を川崎フロンターレ出身者で固める事がポイントだと書いたが、板倉と谷口は終始ラインを高く保ちつつ、特に谷口はボールをしっかり持ち上がってからパスを確実に付けるという、まるでフランクフルトの長谷部が乗り移ったかのようなゲームメイク能力を発揮。

助っ人外国人がほとんど不在でモチベーションが低かったとは言え、谷口から田中碧、守田がボールを受けるビルドアップが安定していた事で、中国が本来やりたかった高い位置からのプレスをさせなかった事が大きかったように思う。

風間氏が指摘しているように、代表で吉田が敷くディフェンスラインの位置はずっと低すぎると思っていた。イタリアでは、まだ他のチームに比べると積極的にラインを押し上げている方だが、本来日本が必要とする高さよりは低い。

それが、中盤が間延びして遠藤本来のボールを狩る能力が発揮できず、大迫が孤立してクロスに飛び込む人数が少ないという、これまでの得点力不足を招いていた原因になっていたのではないかと思っている。

ただ、この試合はそれが多少改善されたものの、ベテラン勢のプレイははっきり物足りなかった。南野は本来トップ下の選手でサイド適性が無いのは明白、長友は明らかに衰えて攻撃でサポートできず、大迫はポストを受ける中盤との距離感が短くないと生きない選手で4-3-3の1トップには向いていない。酒井もかつてのダイナミックさが消えてしまった。

後半に久保が入って4-2-3-1になってからは、南野と久保がハーフスペースでボールを受けて、中山が高い位置を取って攻撃に絡むという、ザックジャパン時代に得意としていたパスで崩し切るサッカーが見られて楽しかったが、そこで追加点が奪えなかったのは残念だった。

次の相手であるサウジは、ホームでオマーンを1-0で下して首位固め。おそらく日本に対しては勝つ必要が無いのでガチガチに守って来るだろう。日本の生命線である伊東に対してもマンマークで消しにかかる事は確実。それを、ピークを過ぎて下り坂のベテラン頼りな森保ジャパンが崩せるようには思えないのだが・・・

たとえ森保監督でアジア予選を突破したとしても、ハリルホジッチを切ったように本番は別の監督を起用して、一気に世代交代を行って若い選手に経験を積ませたほうが良いのではないだろうか。

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