宮崎日大との3回戦を8-0と圧勝した静岡学園と、2回戦からはいずれも辛勝で勝ち上がった関東第一との準々決勝。静岡学園は4-2-3-1のフォーメーションで、関東第一は4-4-2の形。
試合の序盤は、関東第一が選手権スタイルと呼べるロングボールを蹴り込んでのプレスで攻め込むが、すぐに静岡学園がポゼッションで上回り関東第一陣内で試合を展開する流れになる。
前半22分にサイドチェンジから古川が抜け出しクロス、26分には古川のスルーパスからシュート、30分には静岡学園のCKからヘディングも関東第一の神山がライン際でクリアと、静岡学園がチャンスを量産する。
しかし、静岡学園の攻撃は手数をかけてビルドアップ、その間に前線へと選手が上がり、最後はクロスに3人以上がPA内に入るという形に偏重、対する関東第一は4-4-2のゾーンを組んで中央をしっかり固めて最後の部分でゴールを許さない形が上手くハマっている。
後半も、静岡学園が11分、12分とチャンスを作るがゴールならず。するとようやく後半20分、右からのクロスに途中交代で入った9番持山がファーで頭に当てて落とし、こぼれ球を小泉がDF2人の足元を抜くシュートを決めて静岡学園が先制する。
この得点で静岡学園はいきなりゾーンが下がって関東第一が前に出て来るようになるが、静岡学園もカウンターが効くようになり、26分には松永がフリーでヘッドも枠外。37分には持山がフリーも関東第一GK笠島がファインセーブと試合を決めきれない。
すると後半39分、左サイドを日下がマークを振り切ってドリブル突破、グラウンダーのクロスにゴール前に走り込んだ坂井が飛び込み、関東第一がワンチャンスで同点に追いつく。
後半ロスタイムには静岡学園の古川がDF4人に囲まれながらシュートも笠島がしっかりセーブ。そして同点のまま80分が終わってPK戦に。PK戦では静岡学園の2人目古川のキックを笠島が防ぎ、3人目は枠外だったのに対し、関東第一は3人目がバーの上となったものの残りの4人が決め、準決勝に進出した。
シュート数が18対2と完全に静岡学園が圧倒しながら、ワンチャンスとPK戦で敗退というのがいかにも「らしい」負け方だったかなと。決定力のあるFWや速攻の形があるともっと楽に勝てそうだけど、そういうチームは”静岡学園”じゃないだろうなあ。