いやぶっちゃけ、いくら難しい最終予選の初戦であっても、もうちょっとマシな内容をしてくれるかと思ったんだけど、シュート数は10対12、枠内シュートも4対6で、どう見ても普通に弱い、負けるべくして負けたとしか言いようの無い試合をやらかしてくださった。
敗因としてはたくさんあるんだけど、まず経験を優先して先発に選んだ大迫、酒井、原口、長友、柴崎といったベテランがことごとくコンディションが悪かった事。しかもピッチが大雨で濡れていて、日本が得意とするパスサッカーが出来ず、横パスをことごとくカットされてしまった。
逆にオマーンは、まるまる1ヶ月間この試合のために準備をしていてコンディションが良く、判で押したように4-2-3-1の戦術を採る日本をしっかり研究し、各選手が戦術的なタスクを忠実に遂行、日本の攻撃をスローダウンさせて手詰まりに持ち込んだ。
具体的には、オマーンは中盤ダイアモンドの4-4-2フォーメーションを取り、1トップの大迫に対して2人のCBがガッチリマークしてポストプレイを許さず、トップ下の鎌田にはアンカーが張り付いて自由にさせず、日本の伊東純也と原口の両SHにはSBとインサイドハーフがダブルチームで対応する。
日本は戦術的に両SBの長友と酒井が浮くんだけど、両者ともボールを持っても単純なミスが多く、クロスも満足に上げられず、フリーになっていても全く相手にとっては脅威を与える存在になっていなかった。
後半になって、原口に代えて古橋を投入するのだが、オールドファームと同様にサイドで足元にボールを受けさせても古橋の良さは全く出せず、途中出場した堂安と久保もコンビネーションは期待を持たせたが、あまりに五輪組に対する出場時間が少なかった。
結局、この試合のために準備万端で望んだオマーンと、準備期間はゼロで怪我人続出、時差ボケを抱えた選手で即興チームを組まざるを得なかった日本の差が出たとも言えるが、そんな事は最初から分かっていたはず。
戦術とコンビネーションについては選手任せの森保監督では、五輪からA代表への切り替えがスムーズに行かないのは当たり前で、土壇場になって五輪メンバーではなくコンディション最悪なベテランを先発に並べていつもの4-2-3-1脳死サッカー。田嶋会長が自画自賛していたA代表と五輪の兼任に関しては、完全な裏目に出たと言って良いだろう。
さて次はアウェイの中国戦。中立地であるカタールのドーハでの対戦だが、中国は初戦もカタールで時差無しの試合がやって来る。中国は第1節でオーストラリアに0-3で負けているが、ここで勝ち点3を取れなかったらいよいよW杯の出場権は赤信号である。
絵に描いた餅の「ジャパンズウェイ」にこだわって、再び川淵カピタンで失われた20年を繰り返すぐらいなら、いっそ中国にも負けて田嶋の首が飛ぶならそれでもいいかとも思うのだが、それでも責任を押し付けてしぶとく生き延びそうだしねえ・・・まあ八方塞がりですな。