「田中碧に早くもJリーグの罠、板倉はサポーターのハートをガッチリ掴む」ドイツ・ブンデスリーガ2部 第5節 シャルケ-デュッセルドルフ

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両チームともに5試合で勝ち点4とスタートダッシュに失敗しているチーム同士の対戦。シャルケは3-1-4-2のフォーメーションで、フローニンゲンから移籍した板倉が3バックのセンターで初先発。対するデュッセルドルフも田中碧が初先発、アベルカンプ真大と並んだ4-3-3のインサイドハーフに入った。

試合はホームのシャルケが中盤のインテンシティで上回ってペースを握る。デュッセルドルフはチーム全体で受け身に回ってしまい、田中碧も相手に寄せはするのだが、ブンデスレベルからすると一歩遅くて簡単にパスをはたかれ抜かれる場面が目立つ。

しかし先制したのはデュッセルドルフ。シャルケが自陣でクリアしたボールを拾われ、アベルカンプ真大が右へ流れた動きに板倉がラインを崩して追ってしまい、そこにパスを通されシュートを決められてしまう。が、15分にデュッセルドルフは自陣でのミスから同点に追いつかれる。

このあたりから、マッチアップ的に浮いていたシャルケのアンカー、パルションを田中碧とアベルカンプ真大が交互にマークするようになる。シャルケは38分に田中碧を抜いた板倉のパスを基点に、シュートまで行くもゴールポスト。

何本もシュートを浴びせられながらも耐えていたデュッセルドルフだが、後半開始早々に右からのクロスをDFがクリア出来ず抜けたボールを押し込まれ、シャルケがあっさり逆転する。

ビハインドのデュッセルドルフは、田中碧にボールを集めてゲームメイク、シャルケのペースが落ちた事もあってようやく攻撃を組み立てられるようになる。18分には田中碧がPA外からミドルも左へ外れる。21分には田中碧が後ろからスライディングをかましてイエローカード。

後半23分から田中碧はアンカーのポジションでプレイ。アンカーだと抜かれても後ろにDFがいるので、バランスを取る守備でもそう簡単に破綻はしない。そこからしばらくはデュッセルドルフのペースになりシュートの場面も多くなるが、ペンテションの決定機を決められない。

板倉は後半35分に足が吊り、41分に交代。その直後に、右からのFKをテローデが競り合いながら胸トラップで流し、強引にマークを抑え込んでのシュートを決めてシャルケが3点目、これで勝負は決まってしまった。

デビュー戦は良かった田中碧は、2戦目にして大きな試練。寄せに行くスピード、間合いが中途半端で攻撃を止めきれず、むしろ動いたスペースを使われて波状攻撃を受ける原因になってしまった。まだチーム戦術が整理されていないせいもあるが、”Jリーグ仕様”のアリバイ守備から脱却しないとステップアップは難しいだろう。

板倉は最初の失点に絡んでしまったが、その後は相手の1トップであるヘニングスに高さで負けず抑え込み、素早いカバーリングで何度もピンチの芽を詰んだ。攻撃でも落ち着いたボールさばきで安定感があり、サポーターのハートをしっかり掴んだのではないだろうか。

 

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