Blog版 蹴閑ガゼッタ

「W杯王者がまさかの自滅、責任はムバッペではなくチーム全体と監督にあり」EURO2020 ベスト16 フランス-スイス

今大会最大のアップセットとなった、フランス対スイスの試合。PK戦で外したエンバペに非難が集まっているが、確かにセルフィッシュなプレイに終始しながら結果を出せなかっただけに、戦犯とされてしまうのも仕方ない面はあるが、やはり最大の責任はデシャン監督の采配、チームのメンタルコントロールにあったように思う。

フランスのフォーメーションは3-1-4-2の形だったのだが、エンバペとベンゼマの2トップはスイスのマークに遭ってボールを触る回数が少なく、WBのラビオとパヴァールは攻撃陣との絡みがほとんど無く、グリーズマンがサイドに流れて何とかリンク役になっている有様。

それで鉄壁の守備になっていればともかく、前半15分に3バックのセンターで先発したラングレが、セフェロビッチに対してまともに競る事すら出来ずヘディングを許してスイスに先制を許してしまう。これがまず第一の誤算。

後半からラングレに代えてコマンを投入、4-4-2にフォーメーションを変更する。が、いきなり8分にパヴァールのスライディングがVARでPKと判定され、フランスは絶体絶命のピンチになるが、GKロリスが見事なセーブで追加点を防ぐ。

するとその直後に、エンバペからのラストパスをベンゼマが後ろ足で引っ掛け、前に出したボールをトゥキックで流し込む変態ゴールでフランスが同点に追いつくと、さらにグリーズマンがエンバペとのワンツーから抜け出し、クロスをベンゼマが押し込みあっという間に逆転。

さらに後半30分、ポグバがファーに狙いすましたミドルシュートが決まり3点目。これでスイスサポーターでさえ勝負が決まったと観念したはずだ。しかしそれはフランスのチームにも伝搬したようで、その後も守備を固めるでもなく漫然と中盤が高い位置を取ってしまう。

おかげで後半36分、DFと中盤の間にポッカリ開いたスペースでガヴラノヴィッチがやすやすと反転、パスはコマンに当たったが再び拾い、ドフリーなエンバブがクロス、これをセフェロビッチがヴァランに競り勝ち1点差。

そして後半45分、中盤でポグバがボールを奪われ、倒れてアピールするもファールはもらえず、さしものカンテも1人ではカバー出来ずジャカからガヴラノヴィッチにパスを通され、切り返しでキンペンベを置き去りにして同点ゴール、スイスが何と同点に追いついてしまう。

延長戦になってもフランスのペースは上がらず、カンテだけが前からプレスをかけている状態。攻撃もグリーズマンを下げたおかげで前線でジルーが孤立、数少ない決定機だったパヴァールのシュートはスイスGKゾマーが片手1本でセーブ、後半6分にはエムバペがスルーパスからシュートはサイドネット、14分のジルーのヘッドもゾマーがキャッチと、最後までスイスのゴールを揺らずことが出来ず、とうとう試合はPK戦へ。

PK戦ではスイスは5人全員が成功したのに対し、フランスは5人目のエンバペのキックが甘いコースに飛んでゾマーがセーブ、スイスがワールドカップ王者のフランスを破るまさかの大アップセットでベスト8へと進出した。エンバペは足を引きずっていたのに、デシャン監督は2人の交代枠を残して何もせず。これもまた不可解な采配だった。

オランダがハマり、イタリアが落ちかけた「ベスト16の罠」からフランスも逃れる事が出来なかったという事だろうか。”次”を見越して実験的な戦術を試し、3点目が入ったところで明らかに集中力を切らし、ポグバのセルフジャッジで同点。慌てたところで時既に遅し、グループリーグでの疲れで足が止まって追加点を奪えず自滅。結局、今大会のフランスはチームとして完成する姿を見せる事無く終わってしまった感が強い。デシャン監督はこれでも続投するんだろうか?

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