こちらもグループFの最終戦。首位のフランスは、これまでの4-3-3ではなくベンゼマの1トップに2列目がエンバペ、グリーズマン、トリソの4-2-3-1、ポルトガルは同じ4-3-3だけど中盤の3枚がモウティーニョ、ダニーロ、レナト・サンチェスという並びに変更してきた。
互いに慎重な立ち上がりだったが、前半15分にポルトガルがフランスゴール前まで迫ると、直後にカウンターからエンバペがシュートもポルトガルGKパトリシオがきっちりセーブする。
前半27分、ポルトガルはFKからフランスGKロリスが飛び出したところで、ダニーロに肘打ちをかましたとみなされPKの判定、これをクリロナが冷静に決めてポルトガルが先制する。
反撃すべきフランスの攻撃は、エンバペのサイドアタックかベンゼマへのロングボールしかなく極めて単調、得点の匂いは皆無だったのだが、前半45分にエンバペがパスアンドゴーでPA内に飛び込んだところでセメドに倒されPK、フランスが前半のうちに同点とする。
さらに後半開始早々、ポグバからのロングスルーパスにベンゼマが抜け出し、ファーに流し込む。オフサイドギリギリに見えたがVARでゴールが認められる。だが左SBのディーニュが筋肉を痛めてラビオが代わりに入るアクシデント。
試合に負けるとグループ敗退の可能性があるポルトガルは、この後ボールを支配するも守備を固めるフランスに対してなかなか攻め込めない。しかし後半14分にクリロナが左サイドでドリブル、クロスに手を上げてしまったクンデにPKの判定。これをクリロナがきっちり決めて2ゴール目。
フランスも後半23分にポグバが強烈なミドルもポルトガルGKルイ・パトリシオが右手1本で防いでゴールポスト、跳ね返りをグリーズマンが押し込むも再びセーブのスーパープレイ。その後はどちらもドローでOKの空気が流れ始め、一発狙いのパスが増えて単調な流れのままロスタイム、そしてそのまま試合終了。
得点自体はPKで3点と地味な結果になってしまったが、個で勝負するフランスに対してパスワークのポルトガルと、どちらも自分たちの持ち味を出した好ゲームだった。ただしエンバペはまだチームにフィットしきれてなく、クリロナには疲れが見えているので、両エースがこれからどこまで復調して来るかが今後の焦点になりそうだ。
先の試合でドイツとハンガリーが引き分けたため、フランスは勝ち点5で1位通過、ポルトガルはドイツと勝ち点4で並ぶも当該成績で3位という結果になった。決勝トーナメントのカードは、フランスがスイス、ポルトガルがベルギーという対戦になった。後者もまた1回戦屈指の好カードである事は間違いない。