前の試合は、ジャマイカ代表の半数が陰性証明書の不備によって入国できず、急遽日本A代表とのテストマッチというイレギュラーな形になってしまったが、U-24ガーナとの試合は無観客ながら無事開催となった。
日本のフォーメーションは4-2-3-1で、GK谷、DF中山、冨安、吉田、酒井、ボランチ遠藤、田中碧、2列目が相馬、久保、堂安、1トップが上田というスタメン。おそらく、これが現時点でのベストメンバーだろう。対するガーナは同じ4-2-3-1の形。
試合は序盤こそガーナが勢いで押し込む時間帯を作ったが、その後は完全に日本のペース。OAの3人が加わった日本の守備陣は余裕を見せつけ、せいぜい8割程度の力でガーナの攻撃をいなしている。
そして吉田を中心に日本が誇る2列目にバシバシと縦パスが通り、右サイドは堂安と久保がポジションを交換しながらボールをキープ、そこに酒井宏樹が攻撃参加してやりたい放題。
ガーナは4-4のゾーンを組むまではいいが、そこからマンマークに移ったら見事にバラバラ。久保が決めた2点目のシーンなんかはDFの全員がボールウォッチャーになっていて、PA内へ入り込んだ久保を誰も見ていないというお粗末ぶり。
結局試合は6-0で終了したが、ガーナが攻め込んだ時間帯はせいぜい後半35分からぐらいで、チャンスの数からするともっと点が入っていてもおかしくなかった。これでは残念ながら強化試合になったとは言えなかったね。
スタメンの中では、圧巻の右に比べると左は寂しく、相馬はゴールこそ決めたものの左SBに入った中山とのコンビネーションはほとんど見られず、後半13分から出場した三苫もゴールを決めたので、出場枠争いとしては現時点でほぼ互角と言える。SBも中山と古賀との争いは継続しそう。
1トップについても、上田は結果を出したが大迫に比べると裏抜けに偏っているので、強豪相手に前線で基点になれるかはまだ未知数。そういう意味では前田よりも体を張って頑張れる林が残るんじゃないかと思ったり。逆にボランチは、遠藤が相棒になった事で田中碧は途端に輝き、ファーストチョイスにのし上がった。
チームのエースは誰かとなると、個人的には久保よりも堂安かなと。久保は吉田の縦パスにダイレクトで後ろへ流した場面を筆頭に、アイデアと技術は抜きん出ているんだけど、味方が感じてなかったり相手にカットされる場面が多く、若さゆえの蛇足が多かったかなと。堂安はその点では落ち着いていて、プレイの選択に派手さは無いけど着実、残留争いの重圧を一身に受けていた経験がプレイに生きていた。
さて次は仕切り直しのジャマイカ戦。さすがにフル代表だからこのガーナよりもフィジカルはあるはず。本番に近い強度の試合でどれだけ通用するか、いよいよ最終的な絞り込みとなるはずだ。
