ともに日本代表のCBとして不動の存在になっている吉田と冨安が、セリエAに戻って今度は敵味方に別れて対峙する事になったこの試合。サンプドリアはインテルから移籍のカンドレーヴァが右SHとして先発、吉田の相棒はトネッリではなくコリーが入った。対するボローニャは大きく変わらず、冨安は4-1-4-1の左CBでヒッキー、ダニーロ、シルヴェストリとDFラインを組む。
試合はボローニャが押し気味で進める展開になるが、前半7分のCKで冨安がニアへ動いた吉田に釣られてしまってトルスビーがフリーになり、フリーでヘディングを決められ41試合連続の失点を食らってしまう。
その後も冨安はいつも通りヒッキーが上がったスペースのケアに終始、その流れで中盤まで上がって攻撃の起点になる動きを見せるが、ヒッキーへのパスコースは相手も警戒して防がれ、ビルドアップのリズムは良いとは言えない。
しかしボローニャは前半44分に、CKから吉田がニアに入った相手選手に動かされ、裏にいたレジーニが思わず足を出してオウンゴールで同点。さらに後半7分、右サイドでボールを繋ぐ展開から、最後はバロウがクロス、これにファーでフリーになっていたオルソリーニが飛び込みヘディング、ボローニャが逆転に成功する。
リードしたボローニャは自陣に4-4-1-1のゾーンを作り、サンプドリアがボールを保持する流れ。セットプレイやクロスを浴びる場面は増えるが、冨安は高さ負けせずしっかり跳ね返す。サンプドリアは前掛かりではあるが、吉田を中心にラインを高く保ってボローニャにカウンターを許さず、試合は膠着状態に。
後半34分に、ボローニャはパラシオがシュート、クロスを連続でチャンスを作るが決められず。40分には交代で入ったガストン・ラミレスと冨安がハイボールに競り合い、ヘッドを許すがGKスコルプスキがキャッチ。そして41分にラニエリ監督が暴言を吐いたっぽくてレッドカード。
ロスタイムは6分もあったが、ボローニャは結局サンプドリアに最後まで決定機を許さず、逆にボローニャはパラシオが吉田と1対1からシュートを放つがゴールポスト。そのまま最後までスコアは動かず1-2で試合終了。ボローニャがアウェイでの勝利を挙げた。
吉田は負けたとは言え、直接的にはミスがほとんど無く安定したプレイ。冨安は失点に絡んだが、ビルドアップやドリブルでの持ち上がりなど攻撃面での貢献が大。代表的には頼もしい限りであった。