試合の当日になって、鹿島のDF永戸が新型コロナウイルスPCR検査で陽性が判明、濃厚接触者とされた6人を含めての欠場が決まった状態で行われた試合。昼に行われた試合でガンバが仙台に負けたために、川崎はこの試合に勝てば次節で優勝が決まる条件でのスタートとなった。
鹿島はCBの奈良、SBの山本脩斗が急遽先発、上田と土居が2トップを組んだ4-4-2、川崎はインサイドハーフに中村憲剛が入り、3トップがレアンドロ・ダミアン、三苫、家長を配した4-3-3のフォーメーション。
前節で川崎に対して完勝した札幌がやったように、鹿島も川崎に対してしっかりマークする狙いは見えるのだが、札幌ほどマンマークに特化していないので、どうしても川崎のパスワークに対応が後手に回る場面が目立つ。
ただ鹿島がクレバーだったのは、SBの登里と山根はある程度自由にさせても、三苫と家長、アンカーの田中碧のトライアングルには厳しく行く形が徹底されていた事。そうなると、自然とインサイドハーフの中村憲剛と脇坂がキーマンとなってしまうわけだが、前半19分にその脇坂がファン・アラーノのミスパスを拾い、そのままドリブルで持ち込み右隅にシュートを決めてしまう。
鹿島は22分に犬飼のフィードから上田がヘッドでコースを狙うも川崎GKチョン・ソンリョンがファインセーブ。37分にゴール正面でFKを得るが、エヴェラウドの強烈なシュートはバーの上。川崎も41分に三苫のドリブルからシュートと反撃して前半を終了する。、
前半ロスタイムには三苫がもらったゴール正面の中村憲剛が壁に当ててしまう。13分には左に流れたレアンドロ・ダミアンがシュートも鹿島GK沖が弾き、こぼれ球を中村憲剛が押し込もうとするが上手くヒットせずゴールポストと、後半も川崎がリズムを作る。
が、後半15分ごろから鹿島がボールを支配するようになり、30分に広瀬のクロスをエヴェラウドがヘッド、一度はチョン・ソンリョンがセーブするも、こぼれ球をエヴェラウド自身が押し込み同点。
川崎は三苫、脇坂に代えて長谷川、下田を投入、しかし鹿島のペースは変わらず、さらに後半43分に山村、齋藤学を投入し、直後に彼らが絡んで山村のシュートという場面を作る。鹿島も遠藤のクロスから山本脩斗がフリーでヘッドも叩きつけ過ぎて決まらず。
ロスタイムには、足裏を見せてのスライディングタックルで鹿島の三竿が一発レッドで退場するも、そのままスコアは動かず1-1のドローで試合終了。コロナで欠場選手が続出する中、川崎に対して簡単に優勝は決めさせないという鹿島の意地が見えた試合だった。