レギュラーのCB2人が欠場中のセビージャは、ホームでエイバルと対戦。セビージャのフォーメーションは4-3-3で、エイバルは4-4-2。乾は2トップの一角で先発し、武藤はベンチスタート。
エイバルはアウェイながら積極的な立ち上がり。ラインを高く保って3ラインのコンパクトな守備を作り、乾も前からプレスをかけてパスコースを限定させ、中盤での守備にはプレスバックで戻り、ボールを奪ったらサイドのスペースに流れて基点作りと、初っ端から大車輪の働きを見せる。
しかし15分を過ぎるといつもの左SHにポジションを移し、左SBアルビージャからの縦パスを受けてターン、そこからサイドチェンジで打開する意図を見せるがイマイチ味方と呼吸が合わない。
前半30分ごろからエイバルのDFラインが上がり切れなくなり、中盤にスペースが空いてバイタルを使われる場面が増え、乾も対面のヘスス・ナバスのカバーで守備に奔走する場面が多くなる。
エイバルはなかなか攻撃を組み立てられず、このままジリ貧かと思われた前半41分、右サイドで相手のミスを拾うと、ディオップから中に入り込んだキケ・ガルシアにダイレクトスルーパスが通り、絶妙なトラップからニアを撃ち抜くシュートを決めてエイバルが先制する。
後半4分、ヘスス・ナバス、ムニルと渡って、折返しをエン・ネシリが合わせるがバーの上で決定機をものに出来ない。その後もセビージャは、エイバルのCBとSBの間にあるスペースを使ってどんどん攻め込むようになり、後半の10分間だけで6本のシュートを放つ。
その後はセビージャがボールを保持し続けるも、右サイドに移った乾は何とか体を張ってボールをキープ、セビージャの攻撃リズムを寸断させて時間を少しでも稼ぐ。35分には右に大きく振ってからのクロスにムニルが合わせるもヒットせずボテボテのシュートで助かる。
後半40分には乾が右サイドからグラウンダーのクロスを流し込むと、惜しくも誰も触れずボールはわずかにゴールに左に流れる。ロスタイムには右のクロスをカルロス・フェルナンデスがヘッドも、エイバルGKドミトロヴィッチがファインセーブ、そのCKからフリックしたボールにセビージャの選手が3人ゴール前でフリーになったが、結局シュートがヒットせず超決定機をフイにしてしまい、結局0-1で試合終了。
エイバルが守備を頑張ったのは確かだが、最後のシーンを筆頭にセビージャがあまりにも運を逃し続けてしまった結果と言える。そんな中で乾は疲れが見えても最後まで攻守にしっかり走り、金星を獲得する大きな力になった。武藤は残念ながら出番無し、辛抱が続きそうだ。