ツール・ド・フランス2020 第21ステージ

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昨日の山岳個人タイムトライアルで、衝撃的な大逆転劇が起こった後のシャンゼリゼゴール最終ステージ。それまでチームとしてほとんど存在感が無かったUAEエミレーツが、マイヨ・ジョーヌチームでございと横一線に並んでいるのに違和感を感じる。

パリの周回コースに入るまでは仲良くパレードランをするのが不文律なのだが、今年に関してはスポンサーがチームカーと切り離されているせいで、優勝チームにシャンパンが振る舞われる恒例のシーンは無し。

さらにシャンゼリゼに入ると、チーム関係者とマスコミ、スポンサー関連以外は観客がまばらという寂しい状況。ここからいつものアタック合戦が始まり、ファンアーヴェルマート、ペリション、シャフマン、スウィフトが抜け出し、3周目のスプリントポイントを通過。メイン集団ではベネットが先頭でさらにポイントを積み重ねる。

その後も4人の逃げは続くが、当然ながら集団もそのまま逃さず20秒差を維持した状態で周回は続き、これまたお約束で最終周回での15秒差が吸収され、サンウェブチームからクイックステップチームが引っ張る展開でラスト1km。ベネットが3番手、サガンが7番手でコンコルド広場に入ると、先にピーダスンが抜け出すがベネットがしっかり差し切り、マイヨヴェールの獲得を自ら祝うゴールを決めた。サガンは3位に終わり、ベネットとは97ポイントの差がついた結果になった。

そしてレース後の表彰台では、昨日は憔悴しきった痛々しい姿を見せたログリッチも、お子さんと一緒に晴れやかな笑顔を見せ、スロバキア国歌をポガチャルと一緒に聞いていたのでちょっとホッとしたね。

レース自体の勝者はポガチャルだったが、今年に関して言えば真の勝者はツール・ド・フランスの運営者だろう。フランスでは毎日1万人の新型コロナウイルス感染者が出ている中、スタッフを含めたチーム内で2人以上の感染者を出した場合はチームごと退場する「ツーストライクルール」を課し、レースディレクターのプリュドム氏が感染しながら、2度の休息日に行われた全員のPCR検査で結局退場者を出す事無くレースを終えられた。

フランス全土を何千人も引き連れるキャラバンを統率、チーム、スポンサー、大会運営、観客とゾーンを分けて感染者が広がらないような動線を設計し、それを各スタート・ゴールはもとより、スプリントポイントや山岳ポイントなど途中の拠点全てに徹底させる努力は並大抵のものではなかったはず。今後、東京五輪を始めとする大規模なスポーツイベントを行う団体にとって、大きく勇気づけられ、そのお手本となるべき偉業ではないかと思う。

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