ツール・ド・フランス2020 第14・15ステージ

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第14ステージ

中央山塊からアルプスへ移動するリエゾンステージで、翌日の超級山岳グランコロンビエ峠頂上ゴールが控えているとあって、すんなり逃げ屋だけで決まるだろうという予想だったのだが、マイヨヴェール奪回に燃えるボーラ・ハンスグローエチームが台風の目になった。

一応、レースのほうはキュングとトゥーンスの2名による逃げは決まったのだが、38km地点ではボーラ・ハンスグローエがペースアップしてサガンに15点のスプリントポイントを取らせ、ベネットとのポイント差を61まで詰める。

2級山岳ベアル峠でもボーラ・ハンスグローエチームの攻撃は続き、スプリンターのユアンが遅れ、ベネット擁するクイックステップチームも白旗を揚げ、ボーラ・ハンスグローエはキュングの逃げを吸収して先頭集団を引っ張り続ける。

しかし残り2つ目の4級山岳ラ・デュシェール峠でサンウェブのべノートがアタック、次にケムナとデヘント、アラフィリップがアタック、集団の吸収された後にさらにヒルシがアタックする。

さすがにステージを優勝したヒルシは周りが警戒して逃げを潰されたが、残り3kmでクラーウアナスンがカウンターアタック、これに誰も反応できずスルスルと差が広がってしまい、クラーウアナスンはメイン集団に15秒の差を付けてゴール。

メイン集団のゴールスプリントでは、メズゲッツが先頭を取ってコンソーニが2番手、サガンは結局ステージ4位に終わってベネットとのポイントを23詰めて43となったが、想定ほどには縮める事が出来なかった。これが最後にどう響くのか注目されるポイントだろう。

第15ステージ

とうとうやって来た今大会最大の山場、グランコロンビエ超級山岳頂上ゴールステージ。その前にも、最大勾配22%のセル・ド・フロマンタル、ラ・ビッシュ峠という2つの1級山岳をこなす非常にハードなステージ。

序盤から激しいアタック合戦が繰り広げられ、28km地点でようやくピエール・ロランやポイント賞3位のトレンティンを含む8人の逃げ集団が形成され、58km地点のスプリントポイントはトレンティンが当然先頭で通過、後方のメイン集団ではマイヨ・ヴェールのベネットが頭を取ってわずかにポイントを重ねる。

1級山岳セル・ド・フロマンタルではユンボ・ヴィズマチームがメイン集団を牽引、ハイペースについて行けないスプリンターたちがどんどんふるい落とされていき、先頭集団との差は4分にまで縮まる。そして先頭集団は22%の坂でバラバラになり、ゲシュケとロラン、エラダ、ゴグルの4人に絞られ、下りでゴグルがスパートして単独で逃げる。

そしてグラン・コロンビエの麓では先頭とメイン集団の差は1分50秒にまで縮まる。先頭ではゴグルに追いついたロランが単独でアタックを仕掛けるが、ユンボ・ヴィズマのファン・アールトがガンガン引っ張るメイン集団がみるみるうちに差を詰めていく。するとディフェンディングチャンピオンのベルナル、キンタナが早くもメイン集団から遅れてしまう。

残り13km地点でロランが飲み込まれ、勝負はエース同士の一騎打ちに。ここからアダム・イェーツがアタックするが、強力なアシストに支えられたユンボ・ヴィズマがジリジリと詰めて追いつき、最後のアシストであるデュムランが牽引するハイペースに誰も動けず残り1km。

ここで満を持してマイヨ・ジョーヌのログリッチがスパート、ポガチャルはすぐに反応するが、リッチー・ポートはやや遅れるもののマイペースでしっかり追走する。2人のランデブー走行はそのままゴールまで続き、最後はポガチャルがログリッチを差してステージ優勝。リッチー・ポートは5秒、ミゲルアンヘル・ロペスは8秒、ミケル・ランダとアダム・イェーツは15秒差でゴール。そしてベルナルは結局7分20秒差でゴールした。

これで総合順位でマイヨ・ジョーヌのログリッチとポガチャルの差は40秒に詰まり、1分34秒差でウラン、1分45秒差でロペス、2分3秒でアダム・イェーツ、リッチー・ポートは2分13秒差、ランダが2分16秒差で続く事になり、事実上この7人に優勝争いは絞られたと言える。

月曜日は2回目の休息日で、第16ステージからはアルプスの山岳が始まり、火曜日は1級サン・ニズィエ・デュ・ムシュロットを登って、ラストは3級のヴィラール・ド・ランス頂上ゴール。ログリッチとポガチャル以外の選手が意地を見せて欲しい。

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