ツール・ド・フランス第5・6ステージ

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第5ステージ

自転車のロードレースというものは、選手が談合してレースをボイコットしたり、事故で亡くなった選手のために弔慰を表したり、ステージレースの最終日にパレードランをする以外、必ず逃げを試みる選手が出るのが当然なのだが、何と第5ステージでは最後のスプリントまで逃げる選手が居なかった。

理由としては、最初のステージで落車が多発した上に、今年は序盤から山岳ステージが埋め込まれて選手の疲労が募っていた事、このステージは横風区間があって逃げには厳しい条件である事、47.5km地点にスプリントポイントがあってスプリンター擁するチームがペースアップするので逃げにくい事などが重なったと言われている。

その静かなステージを制したのはユンボ・ヴィズマのファンアールト。現在世界最強と呼ばれるワンデイレーサーだが、登り基調のゴールという事でピュアスプリンターが伸びない中、完璧なトレインを組んだサンウェブのポルをあっさり交わしてゴールという強さを見せつけた。

マイヨ・ジョーヌは先頭集団でゴールしたアラフィリップが守ったはずだったのだが、何とゴール前20km以内で給水を受けてしまいUCIの規則で15秒のペナルティ、これによってアダム・イェーツがマイヨ・ジョーヌというどんでん返し。コースは平坦だったが紆余曲折だらけの1日だった。

第6ステージ

前半は平坦が続くのだが、終盤になって3級山岳、少し下ってすぐ1級山岳のリュゼット峠、また少し下がって4%程度の緩い登りが8km続いてのゴールという、ツール・ド・フランスにしては珍しいコースプロファイルのステージ。

逃げ集団に総合争いの選手がいないため、メイン集団は8人の逃げを黙認、マイヨ・ジョーヌのアダム・イェーツ擁するミッチェルトン・スコットチームが集団を引くが、マイヨ・ジョーヌを奪われないタイム差をキープするだけで追いつこうという勢いは無い。

そして1級山岳のリュゼット峠で、先頭集団の間でアタックが始まると、最後はカザフスタンチャンピオンのルツェンコが独走、集団に3分の差をつけて頂上を通過すると、そのまま誰にも追いつかれずにトップでゴール。カザフスタン人初のツール・ド・フランスでの勝利を飾った。

その後4人の選手を挟んでメイン集団がやって来て、前日にマイヨ・ジョーヌを失ったアラフィリップが集団トップでのゴール、わずか1秒ながらタイム差を詰める意地を見せた。

第7ステージはピレネーまでのリエゾン(移動)平坦ステージ。プロファイル的には第5ステージと良く似た、58km地点でスプリントポイントがある設定になっているが、果たしてどんな展開になるだろうか。

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