「ライプツィヒの4-4-2殺し戦術、アトレティコに自分のサッカーをさせず」UEFAチャンピオンズリーグ 準々決勝 アトレティコ・マドリー-ライプツィヒ

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チャンピオンズリーグベスト8、2試合目のカードは、スポルティング・リスボンのホームスタジアム、エスタディオ・ジョゼ・アルヴァラーデで行われたアトレティコ・マドリー対ライプツィヒ。

決勝トーナメント初進出のライプツィヒに対し、決勝に2度出場しているアトレティコのほうが完全に優位と見られていたが、蓋を開けてみれば内容も結果も上回ったライプツィヒがベスト4へと進出する結果に。

その大きなポイントになったのは、ナーゲルスマン監督が仕掛けた対アトレティコの戦術だろう。守備時には4-2-3-1の形になるのだが、攻撃時には左SBのアンヘリーノが上がり、カンプルがアンカーに下がった3-1-5-1という形に変化していた。

アトレティコのフォーメーションはもはや金看板とも呼べる4-4-2のゾーンディフェンスなのだが、2トップに対してライプツィヒは3バックとアンカーでひし形、つまり2つの三角形を作って相手のプレスを無力化、中盤の5人でアトレティコの4-4ゾーンに対して横の数的優位を作っていた。

つまり、アトレティコが4人でしか守備の幅を作れないところに、5人が横並びのライプツィヒは両側の選手が必ずフリーになるため、そこへサイドチェンジを仕掛けて基点を作る攻撃が中心になっていた。

サイドの高い位置で基点を作られると、当然アトレティコのゾーンは下がらざるを得なくなり、ボールを奪っても低めの位置から攻撃を始める事になるため、お得意のショートカウンターはほとんど繰り出せず、ライプツィヒは自陣まで守備に戻る時間を十分作ることができる。

個人技で上回るアトレティコはそれでもマークを剥がして突破するのだが、連動しない単パスの仕掛けが多く、ゴール前には十分人数が足りているので、クロスを上げてもウパメカノを中心としたライプツィヒの守備陣に跳ね返されてしまう。

後半5分にライプツィヒが先制した場面も、サイドでフリーになっていたザビッツァーからのクロスをゾーンの合間に飛び込んできたオルモが頭で決めたもので、まさに戦術的な狙いがドンピシャに決まったゴールだったと言える。

ここでアトレティコはジョアン・フェリックスを投入、中盤にスペースが空き気味になったところに、ジョアン・フェリックスが前を向いてドリブルを仕掛ける場面が増え始め、後半16分にドリブルでPA内に入り込んだところで倒されPK、これを本人が決めて同点。

ライプツィヒもジョアン・フェリックスをマークして警戒するようになり、受け身になったライプツィヒに対してアトレティコがボールを保持する流れになるが、決勝点を決めたのは劣勢だったライプツィヒ。

後半43分に、ジョアン・フェリックスがボールを奪われてからの流れで、ザビッツァーのワンタッチパスから左サイドを駆け上がったアンヘリーノがクロス、中でアダムスがワントラップからシュートを放つと、サヴィッチに当たってコースが変わりゴール。ロスタイムのアトレティコの猛攻も凌ぎ切って試合終了。

アトレティコはここまで完成度の高いゾーン戦術を貫いてここまで実績を積み上げて来たが、いよいよ4-4-2崩しの定石が完成されて来た事で、ついに根本的な対策が求められ始めている。それでもシメオネ監督はこれまでのスタイルを貫き通すのだろうか?

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