「Jリーグのある日常が帰ってきた」
2月23日に開幕して以来、新型コロナウイルスの影響で4ヶ月の中断を余儀なくされていたJ2も、今週から4ヶ月ぶりの再開。その中から、おそらく昇格を争う事になるであろう、ジェフ千葉と大宮アルディージャの試合を見てみた。
ユン・ジョンファン監督が率いる千葉は、お得意の4-4-2フォーメーションのゾーンディフェンス。しかし前線はあまり積極的にプレスをかけに行かず、自陣に3ラインを引いて待ち構える守備を展開する。
そして2年目の高木琢也監督率いる大宮も、おなじみの5-4-1の形で自陣でしっかり待ち構える守備で、いわばどちらも弱者のサッカー、盾と盾の試合になってしまった。
とは言え、千葉はホームでDFラインの数が少ない分、ボールをポゼッションする時間は多いのだが、戻りが早い大宮に対して流れの中からのシュートシーンはなかなか作れず、セットプレイから散発的なチャンスを作るのみ。
逆に前半の後半は大宮が押し込む流れになり、後半ロスタイムに大宮はFKをゲットすると、小野の蹴ったボールが高橋の足に当たり、オウンゴールとなって大宮が先制点をゲットして前半を終了する。
後半はビハインドを背負った千葉は、前半に比べるとラインを上げて前からプレスをかけに行くのだが、マイボール時に前線の動きが無く、パスミスから大宮のカウンターを食らってしまう悪いリズム。後半7分にはイッペイ・シノヅカが強烈なシュートも千葉GK新井がかろうじて弾く。
その後も大宮の術中に千葉がハマり、前がかりになった状態で攻めあぐね、カウンターからSB裏のスペースを何度も使われてしまう。大宮は後半21分、27分とイッペイ・シノヅカがシュートを打つも追加点を奪えない。
千葉は終盤に3トップのような形に変化するが、相変わらず単調なクロスを上げるだけの攻撃に終始、逆に大宮の方に決定機が生まれるも決められず、試合はそのまま0-1で終了。
まあ千葉のサポーターにしてみたら、得点の匂いが全く感じられない内容でがっかりした人は多いと思うが、おそらくユン・ジョンファン監督にしてみたら、まずはチームにゾーンの意識を受け付けている段階なのではないかと思う。ラインコントロールやビルドアップはその次と割り切っているのではないか。
トルシエジャパンやオシムジャパンを見ても、戦術オリエンテッドなチームが化けるまでに時間がかかる事は確かなので、そこまで選手とクラブ、サポーターが監督を信じきれるかどうかが今後のポイントになりそうだ。