新型コロナウイルスが促進した、Jリーグとプロスポーツ界の大改革

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いよいよ本日で、私が住んでいる関西エリアでの緊急事態宣言が解除される見通しになって来ましたが、そろそろ開催への動きが本格化しているJリーグにとって、一見地味だけど極めて大きなニュースが飛び込んで来ました。

Jリーグに赤字補填の税制優遇を適用 プロ野球だけでなく全スポーツ団体に(デイリースポーツ) – Yahoo!ニュース

これまでのJリーグでは、親会社によるクラブへの資金提供は、厳密には胸スポンサー料としての形式に限られており、それもあくまで広告料として妥当な範囲でないと税務上アウトという扱いになっていました。

しかしプロ野球については、昭和29年に当時の国税局から通達があった「職業野球団に対して支出した広告宣伝費等の取扱について」において、「球団の欠損金を補填するために親会社が支出した金銭は広告宣伝費とする」という項目があり、事実上は無限の損失補填が可能になっていました。

職業野球団に対して支出した広告宣伝費等の取扱について|国税庁

ずっとJリーグの経営問題を追っかけて来た我々古参ウォッチャーにとって、この通達はプロ野球への優遇措置にほかならず、ずっと目の上のたんこぶと言うか妬みの対象になっていただけに、今回の決定には感無量の思いがあります。

国税庁が「税優遇」新解釈示したJリーグ専務理事のスゴ腕。歴史的回答の全貌を解説する(REAL SPORTS) – Yahoo!ニュース

プロ野球の場合、巨人の親会社は読売新聞であり、新聞の拡販グッズにスタジアムのチケットを提供、巨人の記事を新聞に載せる事でファンを読者へ獲得するなど、新聞社の経営に球団を利用していました。かつての阪急や南海、近鉄といった私鉄会社が球団を持っていたのも、沿線の住民を球場に運んで運賃を獲得する意図がありました。

今となっては、デフレ経済の常態化によってかつての親会社に損失を補填する余裕が無くなってしまい、プロ野球の経営はIT企業などに取って代わり、球団経営についてもJリーグと同様の透明性が求められる時代になって来たわけで、国税庁にしても今更両者を区別する意味が無くなったと判断したのでしょう。

とは言え、Jリーグにとっては極めて大きなマイルストーンになった事は間違いなく、結果的に新型コロナウイルスへの対応に便乗した形になりましたが、プロスポーツ全体に通達が適用された事を喜びたいと思います。

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