「前半だけで”ザルツブルク流”を捨てた南野、次は正解を見つける番」FAカップ 3回戦 リバプール-エヴァートン

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大晦日からチームに帯同してわずか5日、たった3日の全体練習をこなしただけで、怪我人続出のためにいきなり公式戦のFAカップ、それもエヴァートン相手のマージーサイド・ダービーで先発起用された南野。

試合直後のネットでの反応を見ると、期待ほどじゃなかったとかプレミアでは通用しないのではみたいな厳しい意見が多いようだが、実際に試合を見てみると、久保のマジョルカデビュー戦よりもはるかにマシだし、ひたすらピッチ上で所在なさげにウロウロするだけだった中田の初ローマダービーに比べれば、はるかに足跡を残せた試合だったように思う。

ポジションは4-3-3の1トップ、つまりフィルミーノの役割を期待されての起用だったように思うが、実際に南野がやっていたプレイはザルツブルクでトップ下をやっていた時のように、バイタルで浮いたポジションを取ってボールを受け、FWやサイドに展開して自分はゴール前に飛び込む形を狙っていたのだろうが、それはリバプールの形ではない。

足元でボールをもらったり、DFラインの裏へ単純に走るだけでは、屈強なフィジカルエリートが揃うプレミアリーグでチャンスを作るなど絶対ムリな話で、まず必要なのはトランジションでの動き出し。ボールを奪った瞬間に、味方とコンタクトして前線へ飛び出し一気に攻め切ってしまう。そのスピード、精度がリバプールは際立っているわけで、南野が周りと連携するにはまだ時間が必要になる。

そもそもプレミアリーグでバイタルに立ってパスをくれとアピールしても、縦パスが入った瞬間に体ごとタックルを受けて倒されるのがオチで、むしろ縦パスをくれない味方は南野の怪我を未然に防いでくれていると考えなければいけない(笑)。

ただ南野が非凡なのは、バイタルで細かく動き直して足元にボールを欲しがるザルツブルク流のプレイを前半のうちに気づいて捨てた点である。とは言え、その代わりとなる正解を見つけたわけではないので、見た目のボールタッチ数は減って後半24分で交代してしまったが、本人としてはまずまず収穫があったデビュー戦ではないだろうか。

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