中学生年代の日本一を決める高円宮杯U-15選手権。今年の決勝は夏のクラブユース選手権を制したサガン鳥栖U-15と、ガンバ大阪ジュニアユースとの対戦になった。
鳥栖のフォーメーションは4-3-3で、ガンバは4-4-2という形でスタート。試合はボールを奪ったらとにかく2トップに素早くボールを入れるガンバの攻撃が機能、早速4分にロングボールの処理を鳥栖の山本が一瞬誤ったスキに鈴木がボールを奪ってロビングでのゴールを決めてしまう。
その後は鳥栖が4-3-3の特性を活かしてワイドにクロスを中心にした猛攻を見せるのだが、20分にゴール前でフリーになった乗冨のオーバーヘッドシュートは決まらず、逆にその直後、マイナスのクロスを受けた南野別人がワントラップから目の醒めるようなミドルを決めて2点目。
これで鳥栖が気落ちしたのか、ビルドアップがショートパス主体になってしまって、ボランチとSBにプレスを激しくかけるガンバの守備に引っかかり、何度もハーフカウンターでピンチを迎えてしまうが、ここは何とかガンバのラストプレイの精度不足に助けられてスコアは動かず、試合は後半へと突入する。
後半はまた鳥栖がロングボールとサイドチェンジ主体の組み立てでガンバ陳内へ攻め込み、4分には楢原がワンツーから抜け出すがシュートはゴールマウス上でクリア、9分には浦の強烈なミドルがクロスバーに当たって得点ならず。
ハイプレスを仕掛ける鳥栖に対して、ガンバはまともにビルドアップ出来ない時間帯が続いていたが、25分を過ぎると鳥栖のペースが落ちて中盤にスペースが出来、ガンバは左SH名願のカットインからクロスバーに当たるシュートなどまたチャンスを作り出す。
鳥栖も何度か決定機はあったのだが最後まで得点を決められず、試合は結局0-2のまま4分間のロスタイムが過ぎて試合終了。ガンバが7年ぶり通算4回目となる高円宮杯優勝を飾り、鳥栖はクラブユース選手権に続く2冠はならなかった。
両チームにそれほど力の差は無く、前半のチャンスをきっちりモノにしたガンバと、チャンスにことごとく決められなかった鳥栖の差が出た試合だったかなと。ただ、それを可能にしたのはガンバの誰1人サボらないゾーンディフェンスのおかげであり、傑出した個の能力を持った選手はいなかったが、若年層における戦術意識の浸透は心強い限りである。