「セルジオ・コンセイソン監督が、まさかの”中島システム”を採用した思惑とは?」ポルトガル・プリメイラリーガ第14節 ポルト-トンデラ

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シーズン序盤は躓いたものの、ここ7試合は5勝2分負けなしでリーグ首位のベンフィカを勝ち点3差で追撃しているポルト。7試合ぶりに先発出場した中島は、トンデラ戦でこれまでのSHではなく4-2-3-1のトップ下として出場。

ところが、守備時には定石通り4-4-2の形で最前線に並んで相手のCBにプレスをかける役割なのだが、マイボールになるとフラフラとボランチの位置まで下がり、両SHのディアスとマレガが中島を追い越す4-3-3のような形に変化する、ユニークな”中島システム”で仕掛けて来た。

そして前半9分に早くもその攻撃が機能し、中島が中盤でオタヴィオのパスをワンタッチでディアスに流し、クロスをソアレスがヘディングで決めてポストが先制する。

その後も中島はバイタルで浮いたポジションを取ってボールを繋ぎ、相手の守備も集中していてなかなか決定的なチャンスは作れなかったが、30分に中島が受けたファールからの流れでCKをゲットすると、マレガが頭で流したボールをファーでフリーになっていたソアレスが押し込み2点目。

後半になると、中島はボランチの位置まで下がらず左右に流れたポジションを取るようになる。すると早速6分に、バイタルでボールを受けた中島からの縦パスをコロナがワンタッチで流し、飛び出したオタヴィオが決めて3点目。

さらに15分、相手GKのミスキックを中島が拾って完全に1対1の場面になるが、シュートのタイミングが素直でコースも甘くてセーブされ得点ならず。そこからもドリブルやスルーパスで惜しい場面は何度か作ったが、結局得点にはつながらず3-0で試合終了。

ちょこまかとあちこちに動いて狭いスペースでパスを受けてターン、味方へ確実にボールを繋いで攻撃のリズムを作るという、中島の特性を活かすには今回のようなトップ下が最適なのだが、その代償として中島が動いたスペースを周りの選手が埋める動きをする事がポジショナルプレーにとっては必要で、ポジションバランスに厳しいセルジオ・コンセイソン監督がいきなり中島シフトのフォーメーションを組んで来た事がとにかく驚きだった。

ただし、この試合でもGKとの完全な1対1を決められなかったように、中島はゴールに近づけば近づくほど冷静かつ集中力を見せるようなストライカーではなく、得点力は他の選手でカバーせざるを得ない欠点があるわけで、チャンスメイクと決定力のバランスをどう取って行くのか、監督の判断が注目されるところである。

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