準決勝ではFサガン鳥栖がFC東京を、セレッソが横浜Fマリノスを破って進出した決勝戦。鳥栖は4-3-3の形に対し、セレッソは4-4-1-1のフォーメーションで対峙。
試合は両チームともに縦に早いサッカーを仕掛けようとするが、サガン鳥栖のほうがセカンドボール争いで優位に立ち、ボールを奪ってサイド攻撃という形が徹底されているのに対し、セレッソはカウンターからトップ下の北野にボールを集めてドリブルからゴールを狙う展開になる。
前半の終わり頃になると、さらにセレッソがデュエルで劣勢になってボールを繋げなくなり、鳥栖が高い位置でボールを奪って次々にサイドから攻め立てる流れになる。その後はややセレッソが盛り返すも、どちらもゴールは奪えず前半を終了する。
後半は前半よりもセレッソが前に出て来た分、鳥栖にカウンターの場面が増えるようになり、後半14分に鳥栖が縦パスをカットすると、素早く右サイドを駆け上がる浦にパス、飛び出したセレッソGKを冷静に交わすループシュートを決めて鳥栖が先制する。
その後は当然セレッソが主導権を握るものの、あまり有効なサイド攻撃は出来ず、中央突破に頼った形が多くて4-5-1の形で自陣にブロックを作る鳥栖の守備を崩せない。逆に鳥栖は後半38分にカウンターからフリーでシュートを放つも、ゴールライン際でセレッソのDFが体で止めて何とか防ぐ。
そして試合は1-0で試合終了。点差こそ最小差での試合だったが、デュエルとフィジカル能力、それをベースにした戦術の堅固さで鳥栖の能力が1枚上だった。ただ、それにしても両チームともに、日本トップのクラブユースのチームとしてはラストプレイの精度が低いのが気になる。
ジュニアユース世代でも戦術が浸透し、時間とスペースが無い中でのプレイを強いられるのは分かるが、それでも個人技、精度という部分を大事にしていかないと、第2、第3の久保は生まれて来ないように思うのだ。