「ベルナル時代の到来を告げる総合優勝、しかしチームイネオスの来年は?」ツール・ド・フランス第20ステージ

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前日の悪天候と土砂崩れでステージの開催中止さえ噂された、超級山岳バル・トランス頂上ゴールの第20ステージだったが、何とか天候も持ち直し、合計で130kmのコースのうち前半2つの峠をキャンセル、バル・トランスへの登りのみにした59kmの短縮ステージとして開催された。

リアルスタートからアタックが繰り返され、最終的に逃げ集団となったのは、ニバリやザッカリン、ルイ・コスタらを含む29人、チームイネオスが引くメイン集団とは2分30秒の差を付けて、33kmにも及ぶ長いバル・トランスへの登りに突入する。

逃げ集団の中からは、ニバリ、ザカリン、ウッズ、トニー・ガロパン、ぺりションの5人が抜け出し、メイン集団では総合逆転を最後に狙うクライスヴァイク率いるユンボ・ヴィズマが強力な引きを展開、前日にマイヨジョーヌを明け渡したアラフィリップがハイペースについて行けず、ズルズルと遅れ始めてしまう。

残り12m地点で先頭からはニバリが単独でアタック、メイン集団からもキンタナやソレルがアタックを試みるが集団に飲み込まれ、両者のハイペース合戦が繰り広げられたものの、ニバリは結局最後まで逃げ切ってステージ優勝。ベルナルはチームに守られながら4位でフィニッシュ、これでツール・ド・フランス総合優勝を確定させた。

アラフィリップは最終的に3分以上の遅れとなり、残念ながら表彰台に乗る夢も潰えてしまった。しかし、最近はチームイネオス(前スカイ)が淡々とレースを支配して波乱無く終えて退屈だったツールを、久々に盛り上がらせてくれた存在だったと感謝したい。来年は、是非脚質を作り変えて長いステージを戦える選手になって欲しいね。

それにしても、今回のベルナルの登りの実力は抜きん出ていて、確かにイノーのライバルだったルイス・エレラ以来、登りが得意なコロンビア人選手はたくさんいたが、タイムトライアルも強い選手は珍しく、ベルナル時代の到来を感じさせる大会になった。ただ、同じチームにはフルーム、ゲラント・トーマスとエース級の選手が3人もいて、今後はどういうチームオーダーになるのか、はたまた移籍があるのか、今年のストーブリーグが注目される。

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