「興奮するフランスに対し、ひたひたと迫るコロンビア勢」ツール・ド・フランス第17~18ステージ

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第17ステージは、終盤に3級山岳の山があってスプリンターにとっては難しい、まさに逃げ屋向きのステージだと予想されたが、デヘントやファンアーフェルマートら著名なパンチャーを含む何と33人もの逃げが決まってしまう。さらに、その中で最も総合タイムが良いのが29分遅れのクサンドロ・ムーリッセとあって、メイン集団も大差を容認して最終的には20分も後にメイン集団がゴールした。

逃げの中では、残り40km地点からアタック合戦が始まり、3級山岳のサンティネル峠に来た時には11人まで逃げ集団が減り、その中からトレンティンが単独でエスケープ、峠の頂上をリードしたまま通過すると、下りも後続を突き放して最後まで逃げ切る鮮やかな勝利を飾った。

そして、第18ステージはクイーンステージ(大会の最難関ステージ)と呼ばれる、伝統のアルプス超級山岳イゾアール、ガリビエという標高差2000mをオーバーする峠が連続するハードな山岳コース。

今回の逃げメンバーは、奇しくも前のステージと同じ33名の大きなな集団。しかし今度はナイロ・キンタナ、ロマン・バルデ、アダム・イェーツというエース級のメンバーが揃った強力なグループ。

最初の1級山岳ヴァル峠は、バルデと山岳賞争いをしているウェレンスがトップを取って10ポイントを獲得したが、イゾアール峠の登りに入るとウェレンスは遅れ、イェーツ、バルデ、カルーゾ、キンタナ、ウッズ、ルツェンコ、パウェルス、ベルナール、ケムナの9人に絞られ、超級イゾアール峠はバルデが2番目に通過、山岳賞の奪還が近づく。この時点でメイン集団は5分遅れ。

そしてガリビエ峠の登りでアタックがかかりと、逃げ集団はさらにバルデ、ルツェンコ、キンタナ、ウッズ、カルーゾの5名に絞られ、残り8km地点を通過したところでキンタナが単独でアタック、他の5人は反応できずキンタナがスイスイとリードを広げて行く。バルデとルツェンコが追撃するが、キンタナはトップでガリビエ峠をクリア、2位通過のバルデはとうとう山岳賞のトップに立つ。

後方のメイン集団では、チームイネオスが先頭に立ってハイペースを刻むと、ここでセカンドエースの総合5位エガン・ベルナルが単独でアタック、エンリク・マスやバルベルデといった他チームのメインアシストたちはベルナルを追うものの、徐々にペースが落ちてベルナルを逃してしまう。そのスキを突いて今度はゲラント・トーマスがアタックを仕掛ける。

この連続攻撃にピノは何とか追いついたが、マイヨジョーヌのアラフィリップが遅れ、ガリビエ峠の頂上では10秒差がついてしまったものの、下りでアラフィリップは猛然と追走、何とかゴールまでにゲラント・トーマスに追いついてマイヨジョーヌを死守した。

ステージの優勝は、下りもしっかり逃げ切ったキンタナ。ベルナルは4分48秒遅れでゴールし、メイン集団はそこから30秒遅れとなり、まさにコロンビアにとっては二重の喜びとなった日。フランスにとっても、アラフィリップの総合優勝までの道のりがまた1日短縮され、バルデが山岳賞を獲得と盛り上がるステージとなった。

これでマイヨジョーヌのアラフィリップは変わらないものの、総合2位には1分30秒差でベルナルがゲラント・トーマスを追い越して浮上、キンタナはランダを抜いて7位にジャンプアップと、アシストが総合でエースを追い抜くちょっと面白い展開になって来た。特にベルナルは、トーマスの状況によっては代理エースになるかもしれず、アラフィリップにとっては厄介な存在になって来た。

今日の第19ステージもハードで、合計で5つの山岳をこなし、最後は1級山岳ティーニュ峠を登りきってから2kmの平坦コースを走ってのほぼ頂上ゴール。エース同士の勝負は小集団のスプリントになるかもしれないが、遅れた選手は挽回が難しい、脱落の罠が待ち受けるレイアウトだ。今回は下りで追いついたアラフィリップにとっては試練の1日になるのは確実だ。

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