「フランスの期待は、苦しくなって来たアラフィリップからピノーへと移動中?」ツール・ド・フランス第15ステージ

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3つのピレネー山脈山岳ステージの最後を飾る、2級山岳1つと1級山岳が3つ、ラストのフォア・プラットダルビの頂上ゴールというクライマックスが待つ第15ステージ、

レースはいつものように逃げ集団が作られたのだが、このメンバーにはキンタナ、ニバリ、ダニエル・マーティン、バルデ、サイモン・イェーツと、総合争いからは遅れたチームのエース級が含まれている強力な構成。当然、マイヨジョーヌのアラフィリップ率いるドゥクーニンク・クイックステップがメイン集団を引き、離され過ぎないように追撃する。

2つ目の1級山岳ミュール・ド・ペギュエールで、逃げ集団の中からゲシュケがアタックして単独走行、そこにサイモン・イェーツが合流して頂上をクリア。メイン集団ではモビスターのエース、ランダがアタックを仕掛け、逃げ集団に送り込んでいたアマドールとソレルのアシストを受けてリードを広げて行く。

そしてラストの登り1級山岳フォア・プラットダルビ。先頭ではサイモン・イェーツがゲシュケを振り切って単独でトップを快走、メイン集団では残り7km地点でピノーがアタック、アラフィリップも何とか食いついて耐えていたのだが、度重なるアタックの前についに集団から千切れ、マイペースで登っていたゲラント・トーマスにも抜かれてしまう。

クライマーやオールラウンダーは、スムーズにリズムを刻んだフォームで登って行くのだが、アラフィリップは上半身の力を使ってトルクでペダルを回しているようで、かなり余計な力を使っている印象。確かにこれでは長い上りが続くと疲労が溜まってキツイかもしれない。

アタックでライバルを振り切ったピノーは先行していたランダに追いつき、ステージ優勝はサイモン・イェーツに譲ったがトップから33秒遅れの2位でゴールイン。ゲラント・トーマスとクライスヴァイクは1分22秒、アラフィリップは結局1分49秒の遅れでゴールした。

アラフィリップは何とかマイヨジョーヌを守ったが、前日のステージで稼いだゲラント・トーマスとのタイム差を1日で吐き出してしまい、総合では1分35秒の差になった。が、同じフランス人選手のピノーはアラフィリップと1分50秒差の4位に浮上。3位のクライスヴァイクとは3秒、ゲラント・トーマスとは15秒差で、もしアラフィリップが今後のアルプスステージで沈んだ場合、フランス優勝の期待がピノーへと移る事態が十分考えられる。ゲラント・トーマスも、今年のツールはいつものアシストの強さが見られないのが気がかりで、ピノー優勝のチャンスも大いにあり得る展開だ。


ピノーの優勝シーンは、フランスでは700万人の視聴者が見ていたらしい。

今日は休養日なので、アルプスの山岳ステージ3連戦に向けて、どこまでコンディションを回復させる事が出来るかが、終盤戦のポイントになるだろう。

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