「本命不在を象徴するブリュッセルでの幕開け」ツール・ド・フランス2019 第1ステージ

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マイヨ・ジョーヌ100周年、ツール・ド・フランスを5勝したベルギーが誇る最強レーサー、エディ・メルクスがツールを初優勝して50周年という節目で、ブリュッセルのグランプラスをスタートしてメルクスゆかりの地を巡り、ブリュッセルにゴールする第1ステージ。

当然、スタート地点にはエディ・メルクス御本人が登場し、レースを先導するオフィシャルカーにも搭乗してパレードランとメルクス一色のスタートとなった第1ステージ。最近は第1ステージの前に短いタイムトライアルのプロローグを置くことが多い構成だったが、今年は通常のレースでの開幕となった。

コースのハイライトは、ツール・ド・フランドルでも恒例の激坂、フランス語ではミュール・ド・グラモンと呼ばれる「カペルミュール」で、レース開始から4人の逃げに乗ったベルギーのステージレーサーであるファンアーフェルマートが先頭で通過、3級山岳のポイントを取って山岳賞、マイヨ・ア・ポワ・ルージュを着る事になった。

そしてメイン集団が逃げグループを吸収、再びステファヌ・ロセットが単独で逃げを試みる中、集団で落車が発生、ツールの前哨戦であるクリテリウム・デュ・ドーフィネを優勝したフルサングが巻き込まれ、リタイアはしなかったものの2針を縫う怪我を負った。

ロセットの逃げも吸収されていよいよゴールスプリントというゴール手前2km地点でまたも落車、ディフェンディング・チャンピオンのゲラント・トーマスが巻き込まれたが、残り3km地点からのアクシデントによる遅れは総合タイムに反映されないレギュレーションのために事なきを得た。

そして落車を免れた集団によるスプリントは、最後に史上最多、7度目のマイヨ・ヴェールを狙うペーター・サガンが抜け出すも、オランダ人のテウニッセンが写真判定となる僅差で差し切り、ステージ初優勝とマイヨ・ジョーヌの獲得という栄誉を手にした。

今年はツール4勝のクリス・フルームがドーフィネの練習中に大腿骨骨折の大怪我で欠場、デュムランやログリッチェも欠場と、これまでツールの上位を占めていたメンバーがおらず、ゲラント・トーマスが一歩リードした立場にいる事は間違いないが、チームメイトでツール・ド・スイスを圧勝したエガン・ベルナル、ランダとキンタナのモビスター勢、リタイア続きの雪辱を期すリッチー・ポートなど伏兵は揃っている。

次の第2ステージはチームタイムトライアル、混戦が予測されう今年のツール・ド・フランスの中で、どこが主導権を握って進めて行くのかが見えて来るだろう。

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