「既にキャッチアップ、追い越されている現実を直視できない高倉ジャパン」フランス女子ワールドカップ グループD 日本-イングランド

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日本は他グループの結果によって、既に3位以上での決勝トーナメント進出が決まった状態でのグループリーグ最終節。日本はイングランドに勝てば首位通過、ドローで2位、負けてもアルゼンチンの結果によっては2位通過があり得る立場。

先発メンバーはGK山下、DF清水、熊谷、市瀬、鮫島、MF遠藤、中島、杉田、小林、FW横山、岩渕の4-4-2。対するイングランドは4-2-3-1のフォーメーション。

試合は、前半14分に熊谷のパスミスから杉田がデュエルで突破され、スルーパスからホワイトに抜け出されてゴールと、いきなり日本は失点してしまう厳しいスタート。

イングランドは日本をよく研究していて、DFラインにはあまりプレッシャーはかけず、逆にボランチには激しくプレスを仕掛け、中盤とDFラインをコンパクトにして縦パスをカット、ボールを奪うと手数をかけずにシュートという、日本を誘い込んでショートカウンターという狙いが徹底されている。

日本が強かった時は、澤のサイドチェンジからクロスに澤が飛び込むなど、随所に大きな展開があって攻撃のアクセントになっていたのだが、今はボランチからひたすら短いパスを繋ぐしか攻撃の形が無く、逆にイングランドはロングパスもあり、サイドでの素早いパスワークもありと攻撃の形がはるかに多彩である。

後半も立ち上がりはイングランドがアクセルを踏み込み日本は防戦一方。しばらくするとイングランドのペースが落ちて日本がボールを支配するが、イングランドはしっかり中央を固め、横山と岩渕の2トップが前線で全く基点になれない。途中で菅澤が入ってポストになる場面は出来たが、そこから先に精度やパワーが無い。

ようやく後半37分に、左からのアーリークロスに菅澤が飛び込み、一瞬早く足に触ったがボールがわずかにゴールのニアに外れた場面が、日本にとって初めての決定機だった。その直後に、スルーパスからまたもホワイトに抜け出され2点目、これで完全に勝負あり。

裏のスコットランド対アルゼンチンが3-3のドローで終了したため、日本はこれで2位通過が確定。とは言え、このままではとても優勝を狙えるような内容ではない。この試合でも菅澤が入った事で、ようやくスペースへの飛び出しやポストプレイでチャンスを作れたように、高倉監督が作り上げたスモールサッカーでは限界があるのは明らかである。

世界で女子サッカーの強化が行われる前は、日本のパスサッカーは優位性を保てていたのだが、今や各国が日本をキャッチアップして追い越しつつあるのに、日本はいつまでも4-4-2のショートパスサッカーに固執している。田嶋会長は既に高倉監督の続投を明言しているようだが、男女ともに代表の戦術軽視傾向はまだまだ続きそうである。

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