「監督が並べただけのチームは、機能不全にもがき苦しみながらも頑張っていた」U-20ワールドカップ ベスト16 日本-韓国

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しょっぱいトリニダード・トバゴ戦の後に負け試合を見るのは苦痛だったけど、一応は結末を見ておかないといけないよなと思って、U-20W杯の試合を見たのだけど、思っていたよりはずっとチームとして戦えていて、森保ジャパンよりもよほど見る価値のある試合だった。

そのベスト16の日韓戦は、日本はGK若原、DFが鈴木冬一、小林、瀬古、菅原、MFが山田、齊藤未月、藤本、郷家、2トップが宮代と西川というグループリーグと同じ4-4-2のフォーメーションで、韓国は5-3-2の形でスタート。

メキシコ、イタリア戦では齊藤未月がCBの間に落ちてビルドアップに参加、高い位置に上がったSBを起点としてリズムを作っていたのだが、韓国は日本の意図をあっさりと看破、2トップが日本のボランチ2人をマークした事で、日本のビルドアップは機能不全に陥っていた。

日本はボールを奪っても中盤に渡せず、5バックで埋められて前にもスペースが無いので、結局は高さの無い西川と宮代の2トップにロングボールを放り込むだけ。それでも森保ジャパンよりはコンパクトで攻守の切り替えが速いので、相手にスキがある時には攻撃の形は作れていた。

後半になって韓国が4バックに変化、相手のプレスが上回ってセカンドボールを支配され、鈴木冬一の左SBを韓国の11番にかなり狙われたが、それでも何とか粘って攻撃を耐え忍ぶと、カウンターから宮代のシュートやセットプレイから中村のヘッドなど、チャンスはしっかり作っていた。

結局後半39分に菅原のパスミスからクロスを決められて決勝点を許してしまったが、5バックでビルドアップを封じられ、4バックに変更してから左サイドをやられまくっても、何の手も打てなかった監督の無策を、選手は本当に良く頑張ってフォローしていた。

そういう意味では森保ジャパンのトリニダード・トバゴ戦よりはよほどチームとしてまとまっていたが、いかんせん前線が宮代や郷家、西川ではボールが収まらず、田川と斉藤光毅が居た時のような能動的な攻撃を作ることが出来なかった。単に選手を並べるだけで、戦術をトータルでデザイン出来ない監督ではこれが限界というところか。

協会のお友達人事で、順繰りに代表監督の仕事を回している状態では、監督に知識や経験が乏しいので、最初から世界に通用するチームをデザインできず、たまたま偶発的な組み合わせやコンビネーションが出来上がるのを期待するしか無く、怪我や出場停止で選手が居なくなると、全部ご破算になってしまう。そういう厳しい現実を突きつけられた2日間だった。

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