まだ国際Aマッチウィーク明けで試合が無いので、昨日はNHK-BSでやっていたスポーツ・イノベーションという番組で、アジアカップの日本代表をテーマにした回の録画を見ていた。
それにしても、この番組が「最新のデータ技術を駆使して勝負のあやを解き明かす」と題していながら、いきなり”人間力”山本昌邦氏が出て来たので笑ってしまったよね(笑)。その他のコメンテーターは、福西、岩政、中西の3人。
さてアジアカップの話だけど、森保監督が進めているのは世代交代だとぶち上げ、イラン戦での冨安と遠藤の活躍を取り上げた。まず冨安はインターセプト11回、空中戦勝率75%と日本トップの結果。まあアズムンを封じ込めたので文句は無いよね。
遠藤については攻守の切り替えの速さ。ボールを奪った後にパスを出せる戦術眼。日本最大の攻撃基点である大迫に最多のパスを出していた。クラブじゃ持ち過ぎの場面が多いんだけど、代表は細かい動き出しをする選手が多いので、遠藤にとってはやりやすいのかもしれないね。
そして次はアジアカップ決勝でのカタールを分析。カタールはシュート数、ボール保持率、パス本数と成功率で全て日本が上回っていた。それで負けたのは、ポジションのミスマッチを突かれてハーフスペースを使われ、日本は誰が誰を見るかで混乱していた。
カタールの強さは、2004年から取り組んできたアスパイア・アカデミーを中心とする、スペインから指導者を招き、科学的メソッドと最先端の戦術を取り入れた選手育成のプロジェクト。
福西氏は、カタールの良さを取り入れて一貫した育成のシステムを作っていく事が必要と語っていたけど、日本も1998年にフランスのクレールフォンテーヌ国立サッカー養成所と提携、フランスの育成方法を取り入れつつJFAアカデミー福島を設立していた。
カタール代表監督のセバスティアン・バスが、U-19からU-23、そしてフル代表へとアスパイアアカデミー世代と一緒に駆け上がった図式は、ナイジェリアワールドユースからシドニー五輪、日韓W杯で黄金世代を率いたトルシエと全く同じである。
ところが、日韓W杯で結果を出したにも関わらず、時の会長である川淵がトルシエアレルギーを発症、その後ジーコ、岡田と迷走が続きジャパンズウェイに至ったわけで、トップが馬鹿だと何を見習っても一緒という現実を思い知らされるだけですな。
さて、その結果として日本代表強化のキーワードとして挙げられたのが、試合終盤での得点力とカウンター攻撃、足でのセーブ(?)だそうだ。
1つ目は交代選手の得点力と言ってるけど、結局は相手が交代などで戦い方を変えた時に自分たちで修正できるかどうかだし、カウンター攻撃は言わずもがな。そしてクルトワなどを例に上げて、GKが足の技術を持ってないとと言ってたけど、日本の場合はポジショニングやステップワークなど、もっとGKとしての基本部分に差があるように思う。
まあ万事が印象論から入る日本のマスコミにあって、データを元にして語る切り口は悪くないけど、ちょっと結論が的外れ気味というか、考察・掘り下げが浅いのが気になってしまった。いっそ、ハリルホジッチを呼んで戦術の話で全枠しゃべらせっぱなしにするような番組はどうだろうか?(笑)