「吉田の場合、”肉を切らせて骨を断つ”はたまたまに思えてしまう」イングランド・プレミアリーグ第30節 サウサンプトン-トットナム・ホットスパー

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今期のサウサンプトンは、チャンピオンズリーグではドルトムントを破り、現在リーグ3位と今期も好調を維持しているスパーズをホームに迎えての対戦。

サウサンプトンは吉田が引き続き3バックのセンターで先発、フォーメーションは3-4-2-1。対するスパーズはケインとルーカスの2トップに、トップ下がデレ・アリが入った3-4-1-2の形でスタート。

試合の序盤、吉田のラインコントロールは相変わらずハイリスクで、前半5分までに2度もケインに裏を取られてシュートを打たれるものの、精度不足に助けられて命拾い。11分にもバイタルで前を向かれてスルーパスを受けたケインがGKと1対1になるがかろうじてオフサイド。

さらに前半21分には味方のミスでボールを奪われ、右サイドに流れたケインのクロスに反応した吉田がスライディングすると、ボールは吉田の足に当たってゴールポスト、跳ね返りがまた吉田の体に戻って何とかクリア、その流れからケインのFKはクロスバーと、次々に決定的な場面を作られてしまう。

そしてとうとう前半27分、スパーズのカウンターから吉田が前に出るも止められず、ゔぇすたーごーあ隙をケインが見逃さずスッと裏を取り、アリのラストパスからしっかり決めてスパーズが先制する。

その後も吉田のタックルでボールを取り切れず繋がれたり、ケインの飛び出しに吉田が競り合ったのにクロスを打たれたりと、デュエルで負ける場面は多かったが、味方のカバーもあって何とか守りきって前半を折り返す。

後半から、サウサンプトンはオースティンとロメウを下げてシムズとロングを投入、よりシンプルにクロスを上げる体制を作ってリズムを作る。吉田も前半の無謀なポジショニングではなく守備の時はしっかり下がって対応、前半よりは安定感のある立ち上がり。と思ったら、後半6分に左サイドで吉田はケインに足元を抜かれて折り返されるピンチ。

ようやくサウサンプトンに決定機が訪れたのは後半17分、シムズが頭を蹴られて倒れている間に、右サイドでの展開から最後はレドモンドがクロスに合わせるもわずかに枠外。逆に後半23分、エリクセンのラストパスに反応したケインに吉田のカバーが間に合わず、ポールを巻くシュートを打たれるがギリギリ外側に外れる。

この辺りからサウサンプトンの勢いが落ちて、これはスパーズの勝ち試合かと思われたが、後半32分にサウサンプトンが左サイドからのアームストロングがグラウンダーのクロスを蹴ると、これをローズがクリアミス、ファーへ流れたところをヴァレリーが押し込み同点に。

さらにその直後、サウサンプトンはカウンターからFKのチャンスを得ると、ウォード=プラウズが中村俊輔ばりにインサイドで叩き込む直接FKを決めて逆転、サウサンプトンは4分のロスタイムも守りきって試合終了。上位相手に大きな勝ち点3をゲットした。スパーズは終盤に息切れ、これでドルトムント戦後は5試合で1勝と一気にペースダウンとなってしまった。

吉田については、長谷部ばりに高い位置でプレイするまさにリベロのような役割。しかし吉田のスピードではプレミアのフィジカルおばけ相手には分が悪く、何度も危ないシーンは作られて、下手をすると5点ぐらい取られてもおかしくないぐらいのリスクがあったかなと。

ただ、ライン裏への飛び出しを「捨てる」判断はフラム戦も同じだったし、攻撃では何度も高い位置でパスカットしたし、吉田がマークを意識した深いポジションを取らず、他のCBよりも高い位置を取る判断はヒュッター監督の指示なんだろうね。「肉を切らせて骨を断つ」見極めが上達して、もう少しハラハラしなくても済む試合が見たいものだ(笑)。

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